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「週末映画館でこれ観よう!」今週の編集部オススメ映画は『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』

2016年12月16日 16:42  リアルサウンド

リアルサウンド

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 リアルサウンド映画部の編集スタッフが週替りでお届けする「週末映画館でこれ観よう!」。毎週金曜日にオススメ映画・特集上映をご紹介。今週の担当者は、2016年劇場鑑賞本数816本(2016年12月16日現在)の宮川翔。


参考:『ローグ・ワン』主要キャストが明かす、「スター・ウォーズ」シリーズとの決定的な違い


■『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(監督:ギャレス・エドワーズ)


 2016年も残り2週間。今週末、そして今年最後の大注目作品は、何と言っても本日12月16日に公開された『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』だ。昨年末に大旋風を巻き起こした『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』に続いて公開される本作は、『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』の直前までが描かれるアナザー・ストーリーということで、結末はすでに明らか。そのため、作品を評価する基準も相当高まっていることだろう。


 公開日の本日、筆者も早速、朝イチのIMAX 3D版を鑑賞してきたのだが、あまりの面白さに眠気が吹っ飛んだ。正直に言うと、筆者は『スター・ウォーズ』に関してはそこまで熱心なファンというわけではなく、昨年の『フォースの覚醒』にも周囲の大絶賛に反してそこまでノることができなかった。しかし、『ローグ・ワン』は『スター・ウォーズ』シリーズとしてはもちろん、戦争映画や人間ドラマとしても非常に優れた大傑作だった。


 イギリス出身のフェリシティ・ジョーンズ(『博士と彼女のセオリー』)&リズ・アーメッド(『ナイトクローラー』)、メキシコ出身のディエゴ・ルナ(『ミスター・ロンリー』)、香港出身のドニー・イェン(『イップ・マン』)、中国出身のチアン・ウェン(『紅いコーリャン』)という“ローグ・ワン”のメンバーはもちろん、デンマーク出身のマッツ・ミケルセン(『偽りなき者』)、オーストラリア出身のリズ・アーメッド(『ダークナイト ライジング』)、アメリカ出身のフォレスト・ウィテカー(『大統領の執事の涙』)など、国際色豊かなキャスト陣にそれぞれの見せ場があり、終盤の展開には何度も涙が出そうになるほど(もちろん、アラン・テュディック演じるK-2SOも!)。それに加えて、『モンスターズ/地球外生命体』『GODZILLA ゴジラ』で“破壊”を描いてきたギャレス・エドワーズ監督の手腕がこれでもかと言うほどに発揮されており、まさに見どころ満載の内容に。


 『エピソード4/新たなる希望』を観ていることに越したことはないが、1本の映画としても十分楽しめる作品なので、ぜひ劇場に足を運んでほしい。


■『ドント・ブリーズ』(監督:フェデ・アルバレス)


 『ローグ・ワン』と並んで筆者が推したいのは、こちらも本日12月16日公開の『ドント・ブリーズ』。サム・ライミ製作×フェデ・アルバレス監督という、2013年のリメイク版『死霊のはらわた』チームが再タッグを組んだ本作がとにかくすごいのは、その設定と見せ方にある。


 とは言っても本作は、若者たちがある屋敷から出られなくなるという、ホラー/スリラー作品によくある“密室劇”がベースで、非常にわかりやすいもの。だが、この若者たちは強盗で、加害者であるにもかかわらず、被害者である盲目の老人に返り討ちに合うという、実はありそうでなかなかない設定なのである。


 そして何よりも、ステファン・ラングが演じる、湾岸戦争での怪我によって視覚を失った盲目の老人の恐ろしさである。聴覚を頼りに、寝室、キッチン、クローゼット、屋根裏など、屋敷の中のどこまでも追ってくるこの老人は、夢にまで出てきそうなほどの強烈なインパクトを残す。予想を裏切る終盤の展開も面白い。


 劇場が多くの観客の悲鳴に包まれることを期待する。(宮川翔)