2017年の世界ラリー選手権(WRC)に参戦するトヨタ・ヤリスWRCの開発テストがメディアに初公開された。
トヨタは12月13日にフィンランドのヘルシンキで、来季WRCの参戦体制を発表。壇上に姿を現したヤリスWRCは、以前にパリ自動車ショーで公開されたマシンとはエアロダイナミクスなど外観が大きく異なっていた。
そして、翌日の14日に行われたテストで走行したマシンは、その最新仕様の過激なエアロが装着されたマシンだった。
テストが行われたのは、フランス南部のトゥールーズ近郊。山間部の舗装された一般道を封鎖し、全長3kmのコースを何度も走行した。ヤリスWRCのステアリングを握ったのは、前日にトヨタ入りがアナウンスされたヤリ-マティ・ラトバラだ。
ラトバラはコドライバーのミーカ・アンティラと共に、早朝から日暮れまで精力的に走行を重ね、ターマック仕様のセッティングを詰めていった。
ラトバラはすでにフランスのコルシカ島でヤリスWRCのステアリングを握っていたが、今回のテストは来年のWRC開幕戦モンテカルロに向けたもの。所々濡れて滑りやすくなった舗装路で、ラトバラは全開アタックを続けマシンの改良につとめた。
テストを終えたラトバラは「今日の走り始めはややアンダーステアが強く姿勢変化も大きかったが、1日の終わりにはかなり改善され乗りやすくなった」と、マシンの開発情況を説明する。
「17年のマシンはセンターデフが使えるようになったので、そのセッティングを詰めていけばハンドリングはさらに改善されるだろう。開幕までにやるべきことは多い」
客観的に見て、ターマック路面でのハンドリングはまだ未完成に感じられたが、今後のさらなる進化に期待を持てるテストだった。
チームはこの後、第2戦スウェーデンに向けてのスノーテストも進めていく模様。開発拠点であるフィンランド、ユバスキュラのトミ・マキネン・レーシングの周辺はすでに深い雪に覆われているという。
来季の開幕2戦への参戦準備は、今まさにピークを迎えようとしている。