ホンダF1プロジェクト総責任者、長谷川祐介氏は、2018年に向けてマクラーレン以外のチームからF1パワーユニット供給を求める「非公式な関心」が寄せられていると認めた。新たにふたつめのチームに供給する場合、遅くとも2017年5月ごろには契約をまとめる必要があるという。
マクラーレンとワークス契約を結んでF1に復帰したホンダは、いずれは他のチームにもパワーユニットを供給することを望んでおり、そのためにミルトン・キーンズの施設を拡大した。
2017年の新しい規則では、マニュファクチャラーは契約を確保できないチームがある場合には、パワーユニットを供給する義務を課せられる。カスタマーチームが最も少ないマニュファクチャラーが最初の候補となるが、現在はマクラーレンにしか供給していないホンダがその条件に当てはまる。
2017年に関しては11チームすべてが契約を有している。しかし英AUTOSPORTの情報では、2018年にホンダからパワーユニット供給を受けることを望んでいるチームが少なくとも1チームは存在し、すでに非公式の話し合いが始まっているようだ。
長谷川総責任者は英AUTOSPORTに対して、「モナコGPごろまでには」2018年に新たな供給を行うかどうかを知っておく必要があると語った。
「今年、レッドブルとトロロッソがルノーエンジンを使うと発表したのもそのころでした」と長谷川総責任者。
「私たちの場合、遅くてもそのぐらいの時期に知る必要があります。もちろん早ければ早い方がいいですが」
長谷川総責任者は、そのため2018年に向けた交渉は来年早い段階で行う必要があると語った。また、F1に復帰した2015年から今年パッケージが大きく進歩したため、最近ではチームからの関心が高まっているということだ。
「提携やエンジン供給の可能性について話し合っていますが、今のところ確定的な交渉は行っていません」と長谷川総責任者は言う。
「非公式な関心は寄せられています。ありがたいことにある程度の関心を示してもらっています」
「ただメルセデスのカスタマーにはホンダエンジンにスイッチする意志はあまりないですね」
「ホンダエンジンのパフォーマンスにそれなりの進歩を示せるということを証明する必要があります」
「それまでは彼らも具体的な依頼を行うことはできないでしょう」
供給チームが増えれば開発に役立つかと聞かれた長谷川総責任者は、「コストを払う必要はあります。ですが収集できるデータが増え、不具合の原因を探るチャンスが拡大するのは明らかです」と答えた。