カルロス・サインツJr.は、シーズン半ばにチームメイトのマックス・フェルスタッペンがレッドブルに昇格した時のことを振り返り、自分が選ばれなかったことでキャリアが傷つく可能性があり、“困難な時期”だったと語った。
ロシアGPの後にレッドブルがダニール・クビアトをトロロッソに降格させた時、ダニエル・リカルドのパートナーにはフェルスタッペンが選ばれた。
サインツの方がレーシングキャリアは長かったものの、彼とフェルスタッペンは2015年に同時にF1デビューを果たした。
クビアトの後任として選ばれなかったことに関しては落胆したものの、むしろそれによって自らを奮い立たせ、母国レースとなったスペインGPでは6位を、その次のモナコとモントリオールでもポイントフィニッシュを達成するなど、サインツは力強いシーズンを送った。
シーズン中盤にはトロロッソとの契約延長が決定し、終盤のオースティンとインテルラゴスでも自己ベストの6位を獲得した。
「何とかして強さを発揮しようとしたけど、難しい時期だったんだ。当然のことだけど、誰かから選ばれないというのは辛いことだからね」とサインツは語った。
「みんなクビアトがどのくらい困難な状況に置かれているのかということばかり話していて、僕は辛くないと思われていたみたいだね」
「僕にとっても難しい時期だったというのを考慮に入れてもらえなかった。レッドブルに反応しなくてはいけなかったし、突然レッドブルにアピールしなければならなくなったんだ」
「自分に言い聞かせたよ。『(レッドブルの選択は)間違いだったと証明してやる』ってね。そうしたらその後の3レースは僕のF1キャリアで最高のものになったんだ。そして(その次の)バクーでは契約延長のオファーがあって、すぐにサインした」
「だから(フェルスタッペンのレッドブル昇格は)大きなターニングポイントになった。僕はとてもやりにくい状況でうまく反応できたね」
「クビアトとの比較で、すぐにいい仕事をしていなかったら、かなり困難な状況になっていただろう」
「F1キャリアが難しい状況に置かれるかもしれなかったから、とてつもないプレッシャーにさらされたよ。でも最大限のパフォーマンスを示すことができたんだ」
サインツは状況の変化によりプレッシャーが増大したとしつつもそれにうまく対処し、シーズン終了時にはクビアトの2倍近くのポイントを獲得し、新たなチームメイトを圧倒した。
「あの時のことをよく覚えているよ。ホームレースのバルセロナに向かっていたんだ」とサインツ。
「チームメイトが変わったことによるプレッシャーがあった。僕は彼に勝つことを半ば義務付けられていた」
「ものすごいプレッシャーにさらされたけど、その後、すべてが突然うまく行くようになったんだ。すごく誇りに思っている」