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スパガ浅川梨奈 & エビ中廣田あいか、漫画実写化と好相性の理由 女優としての可能性を探る

2016年12月14日 15:41  リアルサウンド

リアルサウンド

(c)小林 立/SQUARE ENIX・「咲」プロジェクト  (c)Ritz Kobayashi/SQUARE ENIX

 キャラクターの個性が強い漫画やアニメの実写化となると、「モノマネ大会」などと揶揄されるような、元のキャラクターとは程遠いキャスティングを、無理やり似せて作りあげることがしばしば見受けられる。それが実写化へ向けられる批判の一因とも成りうるわけだ。


参考:ネクストブレイク筆頭株! 浜辺美波は『咲-Saki-』で“抜きん出た素質”見せられるか


 ところが今回の『咲 –Saki-』実写化プロジェクトは、確かにある種の「モノマネ大会」に成りえてしまうキャラもいる中で、メインとなる清澄高校麻雀部のメンバーを極力原作に近い配役を選んでいる印象を受ける。もちろん、主役の宮永咲を演じる浜辺美波もさることながら、原村和を演じる浅川梨奈と、片岡優希を演じる廣田あいかは、思いがけず絶妙なチョイスである。(メイン写真:左手前/浅川梨奈、右手前/廣田あいか)


 原村和といえば、本作の準ヒロインにあたり、おそらく最も人気の高いキャラクターであろう。理論で麻雀を打つ、実力のある雀士であり、それと同時にアイドル的人気を集める(ドラマではそのような設定が登場していないが、アニメでは第1話で説明されていた)。大人しめのルックスに、ツインテールの髪と、豊満なバストという、典型的なアニメキャラの出で立ちを、実写で再現するとなれば、かなり配役のセンスが問われるところだっただろう。


 そこに、エイベックスのアイドルグループ「SUPER☆GIRLS」の浅川を選び抜いたことは、成功だったのではないかと思える。13歳でデビューを果たした彼女は、昨年から雑誌のグラビアに引っ張りだこで大きな注目を集めている。今年だけで、彼女が表紙を飾った雑誌が何冊あっただろうか。たしかに、原作ほど極端なボディラインではないにしろ、ルックス・演技力を加えた3点で最も近付くことができる存在は彼女しかいないだろう。


 もっとも、演技力に関してはまだまだキャリアが浅いとはいえ、12月から公開される映画『14の夜』で見せる思い切った演技は、なかなか見応えがある。今後のSUPER☆GIRLSを牽引するメンバーとしてはもちろんのこと、女優とグラビア両方でさらなる活躍が期待できる。


 そして、麻雀部の中で最も強烈な個性を放つ片岡優希に私立恵比寿中学の廣田あいかというのは、実際に放送を見たら思わず笑えてしまうほどハマっている。アニメでは釘宮理恵が務めていた癖のある喋り方と声を、彼女の地声のアニメボイスで見事に再現している。さてはこの声だけでキャスティングしたのではないだろうか。『タモリ倶楽部』をはじめ、バラエティ番組での活躍が目立つ一方で、インパクトの強すぎる声のためか、あまりドラマなどでお目にかかることが少ない彼女。せっかく得たハマり役なだけに、劇中でもっと目立ってくれることに期待したいところだ。(久保田和馬)