F1が2017年シーズンに直面する規則変更は過去20年で最も大がかりなものであると、トロロッソのテクニカルディレクターであるジェームズ・キーが語った。
2017年に向けてF1空力規則が改正され、より幅広のフロントおよびリヤウイングを備えた、アグレッシブな見た目のマシンが導入され、タイヤもより幅の広いものが装着される。
カルロス・サインツJr.は、新しいマシンは「違うカテゴリー」のマシンに見えるだろうと予想し、一方ウイリアムズF1チームのチーフテクニカルオフィサー、パット・シモンズは来年はシーズンを通して「絶え間のない」開発が必要になるだろうと語っている。
「これは大規模な変更だ」とキーは語った。「ボディワークやサスペンション、タイヤの観点から言えば、私のF1における約19年のキャリアで経験してきたなかで最大の規則変更だ」
「シャシーの観点から言えば、過去20年で最も大きな変更だ。2009年の時よりも、さらに言えば2014年の時よりも大きい」
キーによれば、トロロッソは遡ること2015年9月に、2017年の規則変更に対応するプロジェクトに着手したという。
「基本的に、ふたつのプロセスを行うことになる」
「まず、新しいレギュレーションがマシンにどう影響するのか試行し理解するため、膨大なリサーチを行わなければならない。もちろん、コース上で試すことなしにだ。長い間、バーチャルワールドで実験することしかできない」
「だがそのプロセスは1月に終わる」
「ふたつめのプロセスとして、冬季テストにおいて実際にコース上で走行する。その後、長い間バーチャルワールドで行っていた作業結果を持って、シーズンを戦っていくことになる」
「我々は2017年プロジェクトを暫定的に2015年9月に始めたから、すでに14カ月やっていることになる」
キーは、2017年のレギュレーションは今年の3月から4月にかけてようやく確定したため、「どのチームも大がかりな抜け駆けはできなかった」と付け加えた。
■レッドブル・レーシングとのシナジー効果が期待できるのは2018年
レギュレーションでは、チーム間での技術の共有が、特にパワーユニット関連、またギヤボックスやサスペンション関連において認められている。
キーは、トロロッソは2017年にはレッドブルと緊密に連携するつもりだとしている。ただし来年は新レギュレーションが導入される最初の年であり、2018年の方がより大きなチャンスがあるだろうと語った。
レッドブルとトロロッソの間でシナジー効果が期待されることがトロロッソのプログラムにどう役立つのかと聞かれたキーは「それによってリソースをプールすることができるし、(共有できる)そういった分野において、より高いシナジー効果が得られる。もちろんどちらのチームもそこにどういう機会があるかを見ていくことになる」と答えた。
「新レギュレーションに関して問題なのは、デザインプロセス全体を調べ上げなければならず議論することができないということだ」
「従って2017年にはシナジー効果に関して大きなチャンスを見つけることはないだろう」
「新レギュレーションの2年目になって、その規則の中である程度仕事を進めた後に、さらに多くの可能性が出てくる。つまり2018年の方がチャンスは大きいだろう」
「それでも(来年から)同じエンジンを使うことは助けになる。パワートレイン側の一部において共通する部分がたくさんあるのだ」