2017年に世界ラリー選手権(WRC)に復帰するトヨタは13日、フィンランド・ヘルシンキでWRC参戦体制発表会を開催。参戦車両であるトヨタ・ヤリスWRCをアンベイルするとともに、ドライバーラインアップを公開した。
トヨタが2015年のモータースポーツ活動発表会でWRC復帰を発表してから、1年11カ月。ついに実戦仕様のヤリス(日本名ヴイッツ)WRCと参戦体制の全貌が明かされた。
お披露目されたヤリスWRCはパリモーターショーでアンベイルされたマシンと同じく、TOYOTA GAZOO Racingの統一カラーリングであるレッドとホワイトがあしらわれている。マシンのフロントとサイドにはDMG森精機やテクノロジー・パートナーを務めるマイクロソフトのロゴも入れられた。
空力面では、パリモーターショーのマシンより前後フェンダーが大型化。またリヤウイングの形状も変化している。
チームを率いるトミ・マキネン代表は「ヤリスWRCは信じられないほどのポテンシャルを持つ、優れた設計のクルマだ」と意気込みをみせる。
「新規定により、開発の自由度が大幅に高まっている。まだすべてのポテンシャルが引き出せているわけではないが、ヤリスWRCは信頼性と速さを兼ね備えている」
「結果がどう出るか、本当に待ち遠しい限りだ」
あわせて、トヨタの2017年ドライバーラインアップも発表された。すでにアナウンスされていたユホ・ハンニネンに加え、事前に噂されていたとおりヤリ-マティ・ラトバラがフォルクスワーゲンから移籍。この2名がシリーズ全戦にエントリーする。
また、テストドライバーはシュコダからWRC2に参戦し、2016年のクラスチャンピオンを獲得したエサペッカ・ラッピが務める。
チーム総代表でトヨタ自動車代表取締役社長の豊田章男氏は「本日、チームの皆、パートナーの皆様とともに、WRCの道に挑戦するクルマをお披露目できることを大変嬉しく思う」と述べている。
「17年間この日を待っていてくださったファンの皆様と、この競技を守り、盛り上げ続けてくださった競技主催者、参加者、自動車メーカーの方々がいてくれたからこそ、我々はこの舞台に戻ることができました」
「人もクルマも、競い合いのなかで、鍛えられ成長していく。今年のル・マン24時間耐久レースの後にも言いましたが、TOYOTA GAZOO Racingは“負け嫌い”です。WRCでも、負けたくはありません」
「先日、短い時間ですがヤリスWRCのステアリングを握り、トミと一緒にクルマを走らせることができました。クルマから感じる音や匂い、ステアリングやペダルから伝わる感覚、そして何よりクルマを作りあげてきたトミの表情を見て、このクルマで戦っていく“自信”を、彼と共有することができました」
「『王者トヨタが帰ってきたね!』、『トヨタを応援してよかった!』と、ファンの皆様に笑顔で言っていただける日を一日でも早く実現できるよう、トミをはじめとするフィンランド、ドイツ、日本のチームメンバー達が努力を続けまいります」
トヨタのWRC復帰初戦となる2017年WRC開幕戦モンテカルロは1月19~22日に行われる。
また、これでWRCワークスチームのドライバーラインアップはすべて確定。実戦仕様のマシンをアンベイルしていないのは、シトロエンのみとなった。