トップへ

Moto2 16年シーズンレビュー:ザルコが2連覇達成。中上が初優勝を飾る

2016年12月13日 21:01  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

2016年Moto2チャンピオン、ヨハン・ザルコ
2015年のMoto2クラスチャンピオン、ヨハン・ザルコ(カレックス)がタイトル連覇に挑戦した2016年シーズン。開幕戦カタールではザルコを含む複数のライダーがジャンプスタートのペナルティを取られ、トーマス・ルティ(カレックス)の優勝でシーズンは始まった。

 ザルコは第2戦アルゼンチンGPで今季初優勝を記録。第3戦アメリカズGPではアレックス・リンス(カレックス)が、第4戦スペインGPではサム・ロウズ(カレックス)が優勝し、シーズン序盤は開幕からの4戦で4人のウイナーが誕生する混戦となった。

 アメリカズGPの時点でロウズがランキングトップに浮上するが、第5戦フランスGPでリンスが2勝目を記録してポイントリーダーに浮上。第6戦イタリアGPでロウズ、第7戦カタルニアGPでリンスと、ランキングトップの座を入れ替えながらシーズンが進んでいくが、この2戦で連続優勝を果たしたザルコがポイント差を縮めると、第8戦オランダGPで今シーズン初めてランキングトップに浮上。ザルコはさらに第9戦ドイツGP、第10戦オーストリアGPと連勝し、チャンピオン争いをリードしていく。

 中盤戦では上位ランカーのルティ、リンス、ロウズがノーポイントレースを喫する中、ザルコは安定して上位入賞を続ける。終盤戦に入ると、ルティが調子を取り戻し、第12戦イギリスGP、第15戦日本GP、第16戦オーストラリアGPと3勝を記録してザルコを追う。

 イギリスGPでは2位争いを展開したロウズとザルコが接触。ロウズが転倒し、ザルコはそのまま走行を続けたが、レースタイムにプラス30秒のペナルティが科せられて22位に終わり、ロースは転倒後に復帰して21位に終わった。

 しかし、ザルコはその後も確実にポイントを積み重ね、第17戦マレーシアGPでタイトル争いに王手をかけると、優勝でMoto2クラス初の連覇を達成した。最終戦バレンシアGPも勝利で締めくくり、シーズン7勝を記録。転倒を喫したフランスGP、ペナルティを受けたイギリスGPの2戦を除いて確実にポイントを獲得した安定感の高さがタイトル連覇につながった。

 ルティは終盤にザルコを追ったが、42ポイント差のランキング2位。リンスはシーズン終盤の日本GPの初日に転倒、以前に負傷した左鎖骨を痛め、フライアウエイラウンド3連戦で本来の走りができずタイトル争いから脱落し、ランキング3位に終わった。

 ランキング4位にフランコ・モルビデリ(カレックス)。モルビデッリはシーズン終盤に調子を上げ、第14戦アラゴンGPから最終戦バレンシアGPまで5戦連続で表彰台を獲得した。ロウズはアラゴンGPでシーズン2勝目を記録したものの、フライアウエイラウンド3連戦の全戦でノーポイントに終わり、モルビデリに逆転されてランキング5位で終了。

 第8戦オランダGPでグランプリ初優勝を飾った中上 貴晶(カレックス)はランキング6位を獲得。中上はドイツGPでポールポジションを獲得、カタルニアGP、イギリスGP、サンマリノGPで3位表彰台を獲得した。

 2017年はザルコ、リンス、ロウズ、ランキング7位のジョナス・フォルガー(カレックス)がMotoGPクラスにステップアップ。ルティ、モルビデリ、中上を中心とした上位ランカーによるタイトル争いが予想される。

 また、2016年にCEV(スペイン選手権)のMoto2ヨーロッパ選手権でランキング2位を獲得した長島 哲太(カレックス)が2017年より世界グランプリMoto2クラスに復帰が決定。長島は2016年のアラゴンGP、日本GPにワイルドカード参戦し、日本GPでは14位入賞を果たしている。