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蓮實重彦ら著名人、オタール・イオセリアーニ監督作『皆さま、ごきげんよう』に賞賛コメント

2016年12月13日 20:01  リアルサウンド

リアルサウンド

(c)Pastorale Productions- Studio 99

 蓮實重彦、きたろう、やくみつるら著名人が、オタール・イオセリアーニ監督作『皆さま、ごきげんよう』に賞賛コメントを寄せた。


参考:イタリアの鬼才が放つ、リアルなおとぎ話ーー『五日物語』の特異なタッチが伝えるもの


 本作は、『月曜日に乾杯!』『汽車はふたたび故郷へ』を手掛けたオタール・イオセリアーニ監督の最新作。パリに暮らす個性的な人々の営みを通して、友情や愛情、社会の不条理さをユーモラスに描き出す。キャストには、『アメリ』のリュファスをはじめ、『月曜日に乾杯!』のアミラン・アミラナシビリ、『グランド・ブダペスト・ホテル』のマチュー・アマルリックらの名前が並んでいる。


 絵本作家である荒井良二は、本作について「いつしか観ている側のぼくらも映画の中にいるのだなと思った。そして生きてることに乾杯したくなったんだ 」とコメント。また、俳優のきたろうは「生きていることがナンセンスに思えて、なぜか幸福な気分になりました」と語り、映画評論家の蓮實重彦は「この国籍、年齢、性別を超えた「不良性」こそ、ともすれば二十一世紀が忘れがちな歴史的美徳である」と賞賛の言葉を贈っている。


【コメント一覧】


■荒井良二(絵本作家)


いつしか観ている側のぼくらも映画の中にいるのだなと思った。 そして生きてることに乾杯したくなったんだ。


■山崎まどか(コラムニスト)


こんなに世の中が不条理で人生が辛く思える時、同じ世界が美しさも希望も含んでいることをチャーミングに教えてくれるイオセリアーニ監督にただ感謝したい。


■きたろう(俳優)


生きていることがナンセンスに思えて、なぜか幸福な気分になりました。


■町山広美(放送作家)


所有と自由をめぐるコントで、映画がダンスする! 人間社会は矛盾に満ちてろくでもないが、生きるくらいには値するよ、生きていれば友と酒が飲めるし音楽も聴けるじゃないか。解放の魔法を、おじいちゃんと野良犬が教えてくれる。


■松浦弥太郎(エッセイスト)


生きるとはしあわせを求める営みである。さて、僕もこの映画の登場人物の一人である。どの場面に現れるのかお探しください。


■KIKI(モデル)


いいことばかり起こらなくても、ぽっとハートがあったかくなる。幸せは、じつは日常の片すみに転がっているということを教えてくれたのは、ちょっとさえない登場人物たちでした。


■やくみつる(漫画家)


いっぷう変わった人々の織りなすプチ出来事がやがて風合い豊かな織物に仕上がる。まさに仏版『どですかでん』(黒澤映画最高異色作)ではないか!


■三遊亭小圓楽(落語家)


滔々と流れる独特のテンポの中に 長屋物の落語に出てくるようなクスッと笑ってしまう笑い所を散りばめた微笑ましい一作。


■蓮實重彦(映画評論家)


この国籍、年齢、性別を超えた「不良性」こそ、ともすれば二十一世紀が忘れがちな歴史的美徳である。(リアルサウンド編集部)