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32歳フリーライターがしみじみ実感している「人生は20代の過ごし方で決まる!」という言葉の意味

2016年12月13日 19:41  キャリコネニュース

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若いうちに苦労をし、社会経験を積んでおくこと。これって当たり前のようでなかなかめんどくさいものだったりする。それこそ「若いうちの苦労は買ってでもしろ」なんて言葉もあるけど、しっかりと社会の波に揉まれておくと、その後の人生、何もしていない人よりは脱線しづらくなるような気がする。

これはあくまでも「気がする」ってだけのことだが、実際のところはどうなんだろうか。今回は、読売新聞が運営する「発言小町」に先日投稿された「20代で人生決まるって本当ですか?」と題された質問をこちらでご紹介していきたい。(文:松本ミゾレ)

「人生が決まったなど、とんでもない」という人もいるが

相談者は、24歳のOL。小さな会社なので社長と面談する機会があるが、そこでよく「20代で人生決まるからね」と言われるという。曰く「20代で苦労した人はそのあとの人生も楽で、30からでは遅い」とのこと。そこで「人生の先輩方」にこんな質問をしている。

「20代で人生決まったと思いますか? 20代で苦労した方、その後どうでした? 苦労してよかったですか? それとも苦労してもあまり意味がないと感じました? ご自身以外に身近な方の体験談でもかまいません。よろしくお願いいたします」

なんとも丁寧で気持ちの良い投稿をする若い女性だ。一応の成功者とみなされる社長が言うならあながち間違いではないような気もするし、記憶力も吸収力も高い若い時期に、色んな物事を経験するのは良いことづくめとも思える。

個人的にもこの社長の発言、否定をする気にはなれないが、まずはこの質問に対する否定意見から、いくつかご紹介したい。

「20代で苦労しましたけど、その後、楽でもなんでもないですよ」
「20代など全くの未熟者。まだまだ沢山の人生経験を積む身です。人生が決まったなど、とんでもない」

早めに頑張れば「その後の人生」の力になる

確かに「20代で決まる」ということには否定的だが、20代で頑張っておくことを否定するものではない。次に肯定意見を見ておこう。

「20代に頑張って得た知識や技術は、その後の人生にとって、何よりも大きな力になるのは確かだと思います」
「20代しか、向こうからやってくる大きな変化には巡り合えないと思います。恋愛でも、仕事でも、友人関係でも。周囲からいろんなことが自分の目の前にやってきてくれるのは、20代だと思います」
「体力面では明らかにそうです。20代は寝なくても大丈夫。30代になったら徹夜がキツイです」

人生を乗り切る経験値は、早めに高めておくべきということか。中には「私は10代で決まると思っています」という人もいる。この人は「20代で頑張ろうにも、時すでに遅しと思いませんか? やはり高校・大学とどこへ行き、何を目標にがんばったか?で決まると思います」と考えている。

学歴が大事な職種は多いし、そういう意見も正しいと思う。果ては生まれた国や家柄で決まるという意見もあったが、そこまで遡ると僕らみんな落伍者になっちゃうしなぁ。それはさておき、単なる精神論から来る「20代は死ぬ気でやれ!」的な意見はほとんど見当たらず、現実的に「20代だからできること」を経験則から提示する意見が多い印象だった。

なんだかんだ感受性も若い頃の方が敏感だし、この時期にさまざまな経験を積むことで、後の人生にプラスとなることも多いのかも知れない。

終わってみなければ何が無駄だったか分からないけど

ところで私事だが、僕は今32歳。20代のおよそ半分の期間を、ダラダラとパートタイマーとしてつないできた。今にして思えばあれは本当に若さの無駄遣いだったと強く思う。もちろん、人生なんて終わってみなければ何が無駄だったか分からないけど。

30代を迎えると、本当に記憶力が低下することが実感できる。横文字なんて20代の頃は一度見たらずっと忘れることがなかったのに、今ではてんで覚えられやしなくなった。

それだけではなく、体も不調を訴える頻度が高まる。若いうちになら、がむしゃらにやれていたことも、なかなかできなくなってくる。だから若いうちに頑張って色んな物事を吸収するということは、かなり大事なものではないだろうか? そう考えると「人生は20代の過ごし方で決まる!」という言葉の説得力が、ますます強く感じられてくる。

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