2016年F1シーズンの中で最も数多くオーバーテイクを実行したのはマックス・フェルスタッペンだったことが分かった。オープニングラップで最も多くポジションを上げたのはフェルナンド・アロンソだった。
F1公式タイヤサプライヤーのピレリが、2016年シーズンを振り返り、オーバーテイクに関するデータを集計し、発表した。
ピレリはこのデータにおけるオーバーテイクの定義は、次のようなものであると説明している。
「1周完全に走り切ったフライングラップのなかでポジションを上げた場合(つまり1周目は除く)であり、そのラップのフィニッシュラインまでそのポジションを維持した場合。大きなメカニカルトラブルあるいは他車を周回遅れにしたり、周回遅れを取り戻した順位変動は計算に入れない」
これを元に集計したところ、2016年の21戦のなかで実施されたオーバーテイクは866回、1戦あたり41.2回となった。
これをドライバー別に集計すると、年間でオーバーテイクを行った回数が最も多かったのはフェルスタッペン(トロロッソ/レッドブル)の78回だった。これはピレリが集計を始めた1983年以降で最も多い回数だったという。
トロロッソからF1デビューを果たした2015年にも、フェルスタッペンは19戦のなかで49回オーバーテイクを行い、全ドライバー中トップだった。
フェルスタッペンはブラジルGPにニコ・ロズベルグに対して行ったオーバーテイクに関してFIAの2016年「アクション・オブ・ザ・イヤー」を授けられ、同賞を3年連続で受賞した。
1戦のなかで最も多くのオーバーテイクを行ったのはメルセデスのルイス・ハミルトン。パワーユニットのトラブルで最後尾スタートとなった中国GPでハミルトンは18回オーバーテイクを実行した。
また、決勝1周目に最も多く順位を上げたドライバーはマクラーレン・ホンダのフェルナンド・アロンソであるという結果が出た。スタートのうまさに定評があるアロンソは、今シーズンのオープニングラップだけで41ポジションを稼いでみせた。
ピレリが発表した2016年F1のオーバーテイクに関するデータは以下のとおり。
●ドライレースでオーバーテイクの回数が最も多かったのは中国(128回)
●ウエットレースでオーバーテイクの回数が最も多かったのはブラジル(64回)
●ドライレースでオーバーテイクの回数が最も少なかったのはハンガリー(10回)
●1年間で最も多くオーバーテイクを行ったドライバーはマックス・フェルスタッペン(78回)。これは集計を始めた1983年以降で最多。
●1戦の中で最も多くのオーバーテイクを行ったドライバーは中国のルイス・ハミルトン(18回)
●オーバーテイクされた回数が最も少なかったドライバーはセバスチャン・ベッテル(1回。ブラジルGPでフェルスタッペンに抜かれた)
●オープニングラップで最も多く順位を上げたドライバーはフェルナンド・アロンソ(41位)
●最も多くオーバーテイクを実行したチームはレッドブル(136回=ダニエル・リカルド61回、マックス・フェルスタッペン60回、ダニール・クビアト15回)
●オーバーテイクされた回数が最も少なかったチームはメルセデス(7回=ニコ・ロズベルグ4回、ルイス・ハミルトン3回)