ヨハン・ザルコは1990年7月16日にフランスのカンヌに生まれた。幼いころよりポケットパイクのレースに参戦し、その才能を発揮していた。
2005年にはポケットバイクヨーロッパ選手権のシニアオープンクラスでランキング2位を獲得。2007年にはこの年からスタートしたレッドブルMotoGPルーキーズカップに参戦し、8戦中4勝を記録、初代チャンピオンに輝いた。
そして、2009年より世界GP125ccクラスにフル参戦すると、ポルトガルGPの9位を最上位にランキング20位を獲得した。またこの年のスペイン選手権125ccクラスの終盤2戦に参戦し、ヘレスで優勝、バレンシアで3位に入賞している。
この年のスペイン選手権125ccクラスではアルベルト・モンカヨ、マーベリック・ビニャーレス、ミゲール・オリベイラらがタイトルを争っていた。
世界グランプリ2年目となる2010年はドイツGPの6位を最上位にランキング11位を獲得。続く2011年はアジョ・モータースポーツに移籍してデルビのワークスマシンを手にすると、スペインGPで初表彰台となる3位入賞を達成、日本GPで初優勝するなどチャンピオン争いに加わり、この年は通算11回の表彰台、4回のポールポジションを獲得して、ランキング2位を得た。
2012年にはMoto2クラスにステップアップ。JiRチームに移籍してモトビ(TSR)のマシンで参戦し、ランキング10位。2013年にはイオダレーシングプロジェクトに移籍、スーターに乗り、イタリアGPで3位に入賞しMoto2クラス初表彰台を獲得、ランキング9位となった。
2014年にはアジョ・モータースポーツをチーム母体とする。エア・アジア・ケータハムに移籍。ケータハム(スーター)を駆りイギリスGPで初ポールを獲得。3位表彰台をシーズン通算4回獲得、ランキング6位となる。
2015年もアジョ・モータースポーツから引き続き参戦、マシンをカレックスにスイッチすると、第3戦アルゼンチンGPでMoto2クラス初優勝を達成。シーズン8勝、2位5回、3位1回の成績でチャンピオンシップをリードし、日本GPでタイトルを確定した。
2016年は同じ体制でMoto2クラスに継続参戦。開幕戦カタールGPはジャンプスタートのペナルティを取られ12位に終わったが、第2戦アルゼンチンGPでシーズン初優勝を達成。ホームレースのフランスGPでは転倒を喫し、再スタートしたもののノーポイントに終わったが、第6戦イタリアGP、第7戦カタルニアGPと連勝すると、第8戦オランダGPでランキングトップに浮上。
シーズン中盤以降やや苦戦を強いられたものの、ランキングトップの座をキープすると、タイトルに王手をかけた第17戦マレーシアGPで優勝を飾り、タイトルを確定。最終戦バレンシアGPも勝利で締めくくり、シーズン7勝、2位2回、3位1回の成績でMoto2クラスでは初となる連覇を達成した。
来季はMotoGPクラスにステップアップ。ヤマハテック3から参戦する。