グランプリコミッションは12月2日にスペインのマドリードでミーティングを開き、テクニカルレギュレーション、スポーティングレギュレーションに関して、次のような決定事項を発表。2017年シーズンより有効となる。
【テクニカルレギュレーション】
■Moto3クラスとMoto2クラスのダミーカメラ/ウエイトについて
Moto3クラスとMoto2クラスの上位6名のライダーは、オンボード(車載)カメラ搭載をしなければならないが、マシン性能が同等のクラスにおけるオンボードカメラ搭載による重量増加は、当該ライダーにとって不利になる可能性があると考えられる。
このためオンボードカメラを搭載していないマシンに対しても、同様の位置に同じ重量のダミーカメラ、またはウエイトを搭載する必要があるものとする。
なお、Moto3クラスにおけるマシンとライダーを合わせた最低重量に変更ないが、Moto2クラスの最低重量は従来(ライダーとマシンの合計215kg)より2kg増の217kgとする。
■MotoGPクラスのタイヤアロケーションについて
セーフティコミッションと協議し、ミシュランの承認を得た上でMotoGPクラスのタイヤアロケーションが変更された。
インターミディエイトタイヤは使用されなくなった。ウエットタイヤとスリックタイヤの最大本数に変更はないが、選択できるフロントとリアのスリックタイヤに追加仕様がある。
【スポーティングレギュレーション】
■Moto2クラスとMoto3クラスのテストについて
Moto2クラスとMoto3クラスのプライベートテストに日数制限が導入され契約ライダーに対して適用される。
シーズン中はライダー1名につき最大10日間、任意のサーキットでテストをすることができる。シーズン終了後はオフィシャルテストと11月のプライベートテストで契約ライダーはテストすることができる。
■レーススタート手順
決勝レースのウオームアップランでセーフティカーの後ろでグリッドに到着したライダーはピットレーンに入り、ピットレーン出口からレースをスタートしなけれならない。
■ピットレーンのスピード違反
同一レースウイーク中に同じライダーがピットレーンのスピードリミット違反を複数回犯した場合、1回の違反あたり150ユーロという現在の罰金は十分な抑止力がないという結論に至り、将来的に1回目の罰金は200ユーロとなるが、FIM MotoGPスチュワードの決定により、2回目以降、より大きな罰金、またはその他の罰則が科せられる可能性がある。
■レースリスタート
レースが3周以内に中断になった場合、最初のスタートのサイティングラップ、ウオームアップラップを走れなかったライダーも含めて、ライダー全員が再スタートすることができることをレギュレーション変更により明白にする。
■オフィシャル
全てのグランプリイベントではコースクラークとチーフメディカルオフィサーはFIMスーパーライセンス保持者でなければならない。
■コースの安全
レースディレクターとセーフティオフィサーの指示や許可なく、トラックマーシャルがコース清掃したり、路面の状況を変更することは許されない