2016年シーズン、スーパーGT500クラスでMOTUL AUTECH GT-Rをドライブした松田次生に、今季限りで第一線を退く2014年型ニッサンGT-RニスモGT500の印象を聞いた。
スーパーGT500クラスは、14年にドイツツーリングカー選手権(DTM)と車両規定を統一化。そして17年からは、高まるコーナリング性能を抑制する方向でダウンフォース削減を盛り込んだ新規定が導入される。
そのため、シリーズに参戦するニッサン、レクサス、ホンダの3メーカーは新たなマシンを投入する。すでに一般公開もされているので、その姿を目にしている方も多いはずだ。
その一方で、この3シーズンを戦ってきたレクサスRC FやニッサンGT-R、ホンダNSX CONCEPT-GTといった14年型マシンは現役を退くこととなる。
今季、前人未到の3連覇は叶わなかったものの開幕から2連勝した次生は、自身とともにシリーズ2連覇を達成した14年マシンを「効率の良いクルマ」だと表現する。
「とにかく空力性能が優れていました。特に、これまでGT-Rが苦手としていた富士スピードウェイで6戦中5勝という成績を残すことができましたからね」
「そういったことを踏まえると、とても(空力)効率の良いクルマだったと感じます」
16年シーズンを「開幕から2連勝と、いい流れでスタート。3連勝に近いところまで行けたと思いましたけど、100kgというウエイトハンデを積んでから、(流れが)悪い方向に行きましたね」と統括する次生にとって、この14年型GT-RニスモGT500で戦った3年間で、もっとも印象に残っているのは「2015年シーズン」の戦いだという。
15年シーズン、次生とロニー・クインタレッリのコンビは第2戦富士、第7戦オートポリスで優勝。ランキングトップのカルソニック IMPUL GT-Rと2点差で挑んだ最終戦もてぎではカルソニック GT-Rの猛追をしのいで2位に食い込み、5点差で逆転チャンピオンに輝いた。
「15年(シーズン)は苦しみながら2連勝を達成しました。とにかく追い上げて、追い上げてといった展開でしたから」
「そんな状況でも、最終的に2連覇を達成できました。この3年間のなかでは、あの年が1番思い出深いですね」