12月11日、富士スピードウェイでニッサン/ニスモのファン感謝イベント『NISMO FESTIVAL at FUJI SPEEDWAY 2016』が開催され、計3万人ものニッサンファン、モータスポーツファンが来場。大きな賑わいをみせた。
ニスモフェスティバルは1997年から毎年開催されているニッサン/ニスモのファンへの感謝を示すイベントで、今年で19回目の開催。普段は大切に保管されているニッサンの過去のレーシングカーから、世界中で活躍する最新のレーシングカーが揃い、またニッサンのモータースポーツ史を彩ってきた往年の名選手が顔を揃えるファン垂涎のイベントだ。
この日は午前中にオープニングセレモニーやニスモコンプリートカーによるパレードランが行われ、その後『サーキットサファリ/サーキットタクシー/レーシングカー同乗走行』と題した走行プログラムが行われた。
ここでは、ニッサンのGTドライバーや長谷見昌弘監督、星野一義監督らがニッサンR380やカルソニックスカイライン、MOTUL AUTECH GT-Rなど、ニッサンが誇る歴代の名車からスーパーGTマシンまで、多くのマシンをドライブ。マシンに同乗したファンはもちろん、サーキットサファリの参加者や会場に訪れたファンにもレーシングマシンの迫力とスピードを伝えた。
続いて行われた『NISSAN ヒストリックカー エキシビションレース』には、サニーやハコスカGT-Rなど、60年代から70年代に活躍したツーリングカーが総勢で28台集結。空力デバイスがほとんど付いていないマシンがグリッドを埋める様子に、当時を思い出すファンも多かったのではないだろうか。
なお、このレースのフォーメーションラップで先導車を務めた『チェリーF-IIクーペ』は有志で構成された“日産名車再生クラブ”が今年6月から5カ月かけてレストアした車両とのこと。
その後の『NISSAN MOTOR SPORTS HERITAGE RUN』では、90年代までの名車がふたたびコースに姿を表し、迫力ある走りとサウンドをサーキットに響かせた。
また、スタンド裏やパドックでは、スーパーGTで活躍するドライバーや監督たちがトークショーやサイン会を行い、普段のレースウイークでは張り詰めている表情を緩めてサインや記念撮影に応じていた。
日が傾き始めた頃、恒例のエキシビションレース『CRAFT SPORTS Presents NISMO GP』が行われた。このNISMO GPにはGT500クラスのGT-Rに加え、GT300やスーパー耐久、ブランパンGTシリーズに参戦するニッサンGT-RニスモGT3とスーパー耐久に参戦するフェアレディZが参戦した。
ニスモフェスティバル最後のプログラムであるフィナーレでは、NISMO GPに出場したマシンに加え、もてぎでお披露目した2017年型のGT-RニスモGT500が最後に姿を表した。カラーリングの施されていない新型マシンの登場にスタンドから歓声があがる。
フィナーレのはじめに、スーパー耐久で悲願のチャンピオンを獲得したスリーボンド日産自動車大学校GT-Rの藤井誠暢、内田優太、近藤真彦監督(平峰一貴はセパン24時間レース出場のため欠席)の3名にキッズプレゼンターから花束が贈呈された。
近藤監督はグランドスタンドに集まったファンに対し、「一年間一生懸命頑張ってきた甲斐がありました。来年はますます頑張ってGT500クラスでもチャンピオンを獲得したいと思います。ぜひ皆さん応援してください。本当に一年間応援ありがとうございました」と感謝の言葉と17年に向けた意気込みを語った。
贈呈式のあとには、今年で結成20周年を迎えた『日産応援団』に感謝を伝えるセレモニーが行われ、ニッサンから応援団に向けて制作された映像の上映、ニスモの片桐隆夫代表取締役社長から黒澤剛応援団団長へ感謝状と前述の映像を収めたDVDが贈られた。
最後に片桐社長は、「今シーズンはスーパー耐久のチャンピオン獲得やスーパーGTでの開幕4連勝など嬉しいことと、シリーズチャンピオンを逃すという悔しいことが両方あったが、やはり悔しいことの方が強く、ニスモ/ニッサンファンの皆様にも悔しい思いをさせてしまったことを申し訳なく思います」とコメント。
「3連覇を達成できなかった悔しさをバネに、ドライバーとチームと一緒にシーズンオフの間にしっかり準備をして、来年の今頃は『本当に良いシーズンだった』と分かち合いたい。皆様に成長したと思ってもらえるように頑張ります」とリベンジを誓って、ニスモフェスティバルは幕を閉じた。
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