12月10日、マレーシアのセパンサーキットで、インターコンチネンタルGTチャレンジ第3戦『モチュール・セパン12時間』の決勝レースがスタートした。4時間を経過し、マンタイ・レーシングのポルシェ勢がリード。スピリット・オブ・レースSAのフェラーリがポルシェ勢に迫っている。
ヨーロッパからメーカーワークス勢が、そして日本からはスーパーGT300クラスやスーパー耐久のチームが参戦し、アジア勢らと勝負を展開しているセパン12時間。現地時間の12時、酷暑のなかでいよいよ注目の決勝レースがスタートしていった。
スタートでは、ポールポジションの912号車ポルシェ911 GT3 R、2番手スタートの9号車マクラーレン650S GT3、3番手スタートの911号車ポルシェ911 GT3 R、4番手スタートの11号車フェラーリ488 GT3が横並びに1コーナーに突入していく。そのポジション取りのなかで、アール・バンバー駆る911号車がトップを奪っていく。
その後方では、2番手につけた9号車マクラーレン(アルバロ・パレンテ)、912号車ポルシェ(リヒャルド・リエツ)、そして予選で苦しんだスピリット・オブ・レースSAの50号車フェラーリ488 GT3(アレッサンドロ・ピエールグイディ)が激しい2番手争いを展開。織戸学駆るJLOCの88号車ランボルギーニ・ウラカンGT3が続いた。
今回のレースは、ドライバーの最大運転時間が65分に制限されていることから、各チーム1時間をわずかに過ぎたところで相次いでピットに向かっていく。そのなかで、ピット位置が有利な16号車、15号車のアウディR8 LMS勢が地力の速さも相まって、ジワジワとポジションアップ。上位に食い込み始めた。
そのなかで、開始1時間過ぎからレースを盛り上げたのは、2台のアウディとJLOCの88号車ランボルギーニのバトル。16号車を駆るレネ・ラスト、15号車を駆るロビン・フラインスというアウディワークスドライバーを相手に、平峰一貴が素晴らしいバトルを展開していった。
トップをうかがう存在だった9号車マクラーレンが相次いでトラブルに見舞われたこともあり、これで上位は911号車&912号車のポルシェ、そしてアウディ勢とヨーロッパのワークス勢が占めていくかと思われたが、そこに食らいついていったのが50号車フェラーリ。AFコルセがオペレートする“隠れセミワークス”的な存在だが、開始1時間17分に出されたセーフティカーの際に変則的にスプラッシュを行ったものの、ポルシェ勢をピタリとマークしている。
開始4時間の段階で、上位は911号車&912号車ポルシェ、そして50号車フェラーリという展開となっているが、トップ3はセーフティカーが出る度に接近。テール・トゥ・ノーズの戦いとなっている。4番手には16号車アウディがつけているが、織戸駆る88号車ランボルギーニが15号車アウディのクリストファー・ハーゼと激しいバトルを展開し、これをオーバーテイクし5番手へ。欧州のワークス相手にスーパーGT勢の実力を発揮している。
日本勢ではハブオート・レーシングの35号車フェラーリ488 GT3が8番手。序盤遅れたが、モーリス・チェンから吉田広樹、細川慎弥、吉本大樹とバトンをつなぎ、ジワジワとポジションを上げている。11番手はaprのトヨタ・プリウスGTだが、開始1時間13分でスピンを喫してしまい、最初のフルコースイエローを出してしまうことに。ただその後は着実に走行を重ねている。
また、埼玉トヨペット・グリーンブレイブの52号車メルセデスベンツSLS AMG GT3はクールスーツのトラブルに見舞われつつも、着実に走行。GT4Sクラスに参戦するトレーシースポーツ/ムータレーシングのレクサスRC350(阪口良平/堀田誠/浜野輝彦)、トレーシースポーツ/アミューズ&SPVレーシングの100号車トヨタ86(大井貴之/松井仁志/伊藤毅/ケニー・リー)も堅実なペースでレースを続けている。白坂卓也、竹田直人らが乗り込むTCクラスの65号車セアト・レオンは途中、スローダウンを喫した。
レースはこの後雷雨の予報も出ており、今後展開が大きく変わることも予想される。