グランプリコミッションは、2016年シーズンに導入したインターミディエイトタイヤを、2017年以降は使用しないことを決定した。インターミディエイトはわずか1シーズンで姿を消すこととなる。
2016年シーズン、MotoGPのタイヤサプライヤーに復帰したミシュランは、コントロールタイヤとしてスリック、ウエットに加え、インターミディエイトをシリーズに導入した。
しかし、シーズン中にインターミディエイトが活躍する場面はほとんどなく、本来インターミディエイトが活躍するハーフウエットコンディションで、多くのライダーが安全策として通常のウエットタイヤか、ギャンブルとしてスリックタイヤを選択していた。
シリーズ終盤には、関係者からインターミディエイト不要論が飛び交うようになり、今月初め、スペイン・マドリードで行われたグランプリコミッションで、MotoGPの2017年シーズンからインターミディエイトタイヤを廃止することが正式に決定された。
ミシュランのMotoGPタイヤ開発を指揮するニコラ・グベールは「シーズン中、我々が提供するミディアムレインタイヤは、ドライコンディションでも一定のパフォーマンスを発揮することが確認できた」と語る。
「また、まったく同じタイミングでコース上にウエットタイヤ、インターミディエイトタイヤ、ドライタイヤユーザーが混在する機会が何度かあった。その際も大きなアクシデントは起こらなかったよ」
「(MotoGPをプロモートする)ドルナの要請を受けてインターミディエイトを導入したが、その時もチームの多くからは懐疑的な声が聞かれていた」
「そして彼らは、ドライコンディションでもウエットタイヤが機能することを証明したんだ。この状況が維持できれば、インターミディエイトの必要性はなくなる」
マドリードで行われたコミッションでは、MotoGPの2017年シーズンからピットレーン速度違反のペナルティが引き上げられることも決議された。
現在、ピットレーン速度違反を犯したライダーには150ユーロ(約1.8万円)の反則金が課せられるが、再犯防止のため2017年シーズンからは反則金が200ユーロ(約2.4万円)に引き上げられる。
また、レースウイークの審議を迅速化するために新たに“アピール・スチュワード”が置かれることになり、審議の短縮化が図られる。