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豪州SC:撤退を決めたボルボとチーム側が裁判沙汰。12月13日に連邦裁判所調停へ

2016年12月09日 12:01  AUTOSPORT web

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3年契約の満了とともにシリーズからの撤退を決めたボルボ・ポールスター
2014年からV8スーパーカー(現:ヴァージン・オーストラリア・スーパーカー)にワークス参戦を開始したボルボとポールスター・シアン・レーシングが、ジョイントチームであるギャリー・ロジャース・モータースポーツ(GRM)に対し「3年契約の延長オプションを行使しない」旨を通知。事実上、今季限りでのシリーズ撤退を発表した。

 これに対し、2017年のオプション契約の有効性を主張するGRM側が控訴。オーストラリア連邦裁判所での調停命令が下され、12月13日にも会合が持たれることとなった。

 フォードとホールデンのみで争われていたV8スーパーカーは、シリーズに新たな風を吹き込むべく2013年に“カー・オブ・ザ・フューチャー(COTF)”を採用。これにより、同年にはニッサンやメルセデスなどが参入し、その翌年にボルボとポールスター・シアン・レーシングがシリーズ参戦を果たしている。

 今回、控訴を行ったGRM代表のギャリー&バリー・ロジャース兄弟は「連邦裁判所は、数週間前までは12月16日までに公聴会を開催するよう指示してきていた」と語る。

「我々はボルボの正規代理人にコンタクトし、彼らは12月12日が希望だと連絡してきた。それに我々も同意したのだが、彼らは再度13日に変更するよう求めてきた」

 2016年5月にボルボが下した決断は、GRMチームとパドックに衝撃をもたらしたが、GRMは1年契約のオプション権行使を要求。しかし、ボルボ側がチームの申請を却下したことで、チームは10月にオーストラリアの連邦裁判所にてボルボ・カー・オーストラリアとポールスター・パフォーマンスを相手に訴訟を開始することを決意した。

 新たに設定された12月の会談で何らかの合意形成が為されない場合、ふたたび2017年2月に審議は連邦裁判所に戻り、リスティング聴聞会が開かれることとなる。ただし、その場合には裁判の最終判決は2017年中盤までずれ込む可能性も示唆されている。



 ボルボとポールスター側は、このスーパーカーのために開発した共通フレームを含む専用モデルのS60と、ヤマハと共同開発した“B8444S”のコードネームを持つ5リッターV8エンジンを買い戻す契約条項を実行したいという希望を持っている。

 一方のGRM側はシアン・レーシングが開発したエンジンを買い戻す要望には同意しているものの、共通フレームを使用したシャシーの使用継続を求めている。

 ロジャース兄弟は2017年シーズンにチームがボルボのシャシーを使用し、レースを戦うことができれば、それ以上の措置は取らないと主張している。

「我々はボルボでレースを戦っている。ここから他の(マシンを)準備するにはあまりに時間がない。それに、我々のエースだったスコット・マクローリンがDJRチーム・ペンスキーへの移籍を決断したのも、ボルボの発表が背景にあったことは想像に難くない。彼の代わりに誰を起用するかも、この決定次第で遅れる可能性が出てくるのだ」と、バリー・ロジャース。

 そのドライバー候補としては、今季限りでホールデンのワークス指定チームであるHRTを放出されることが決まったベテラン、ガース・タンダーが有力候補のひとりに挙げられている。

 また、ギャリー・ロジャースは「2018年シーズンに向け、ボルボに代わる新たなマニュファクチャラーを見つけ出す」ことこそが、チームの最大のミッションである、とも語っている。