メルセデスF1チームのエグゼクティブディレクター、パディ・ロウは、メルセデスが2017年シーズンにパスカル・ウェーレインを引退したニコ・ロズベルグの後任にするのが「当然の結果」とは考えていないと述べた。
メルセデスのジュニアドライバーであるウェーレインは、2016年にメルセデスのパワーユニットを使用するマノーでF1デビュー、印象的なシーズンを過ごした。彼はもし自分が選ばれれば、メルセデスで走る用意はできていると語っている。
同じメルセデスのジュニアドライバーでマノーのチームメイトだったエステバン・オコンは2017年に向けてフォース・インディアと契約した。ほとんどのドライバーがすでに来季シートを確保しているが、ウェーレインはまだ来年の行き先が決まっていない。
ウェーレインは2014年からメルセデスのリザーブドライバーを務めており、チームにとっては育成ドライバーを昇格させることは理にかなっている。しかしロウは、最終的な決断を下す前に「多方面にわたる検討」を行う必要があると考えている。
「(ウェーレインの起用は)当然の結果というわけではない。誰が契約可能かをもう少し分析する必要がある」とロウ。
「さまざまな側面がある。これまでの実績、パフォーマンスと一貫性の面において何を期待できるのかを検討していく」
「速いことは条件のひとつだ。だが(レースの)週に毎回ポイントを獲得できるかどうかも重要だ」
「私が欲しいのは、ニコのように(安定して)ポイントを獲得できるドライバーだ」
メルセデスは、すでに力を認められたドライバーをライバルチームから引き抜くこともできる。メルセデス・モータースポーツのボス、トト・ウォルフは他チームと契約済みの多数のF1ドライバーたちから連絡があったと認めている。
ロズベルグの電撃引退が発表された直後、ウォルフはイタリアのメディアに対し、セバスチャン・ベッテルやフェルナンド・アロンソのような実績のあるスタードライバーを引き抜くことはできればしたくないが、その可能性はゼロではないと語った。
一方ロウは、メルセデスは「実際に契約可能な」ドライバーに目を向ける可能性が高いと示唆した。
「手順の初めにやるのは、(候補者)リストの内容を確認することだ。それからそれを分析する」とロウは述べた。
「我々は実際に契約可能な候補者について検討しなければならないだろう」
「ある意味、ニコに代わってシートに就く、ふさわしいドライバーを見つけられないのではないかという懸念はある。だが我々のマシンが強力で、ドライバーが圧勝するかもしれない。それは我々にとっては良いことだが、ショーの観点では良いことではない」
ロウは、経験の浅いドライバーをF1のトップチームで走らせてプレッシャーにさらすことについては心配していないという。
「それについては私はそれほど心配していない。トップドライバーに優れた環境を与えれば、彼らは実戦で以前よりもいい仕事をすることが多い。経験上、それは分かっている」
「ドライバーは良い環境におけば向上するものだ。それでもリスクがあるのは確かなので、それについて評価する必要があるだろう」
「そういった技術的、分析的な側面に加えて、もう少しソフトな要素についても検討する必要がある。たとえば、そのドライバーが会社になじめるか、会社にとってどれだけのメリットになるか、チームのためにどれだけのことをしてくれるか、といったことだ」