就職先を探すとき、いまは「いかにブラック企業を避けるか」を重視する人が多いのではないだろうか。11月末、ガールズちゃんねるで「ブラック企業に入ったきっかけは何でしたか?」という問いかけがあった。
トピ主はブライダル関係の専門学校を卒業予定だったが内定がなかなかとれず、やっと見つけて飛びついたところが家族経営のブラックだったという。スレッドの意見は、「入ってみないと分からない」「どこもブラックだらけでホワイトな職場探す方が難しい」など悲観的。ブラック経験者たちが次々と悲しい記憶を書き込んでいる。(文:okei)
就職氷河期で「選べなかった」人たち、国家公務員でもブラック
書き込みを見ると、「面接落ちまくって、絶望しているところでたまたま受かってしまった」など、就職氷河期で選ぶ余地がなかったという声が目立つ。「普通に就職活動をして入ったのがブラックだった」という人も多い。
また、ブラックかどうかに企業規模は関係なく、これを判断基準にできない点が悩ましい。「家族経営はおかしい会社多いよね」との書き込みもあるように中小企業で多いイメージだが、こんな証言も。
「普通に新卒で入社した大企業がブラックでした。当時、休みは月に2回。朝7時から夜23時まで」
「学生に人気の企業ベスト50に常連、ついでに女性が働きやすい企業ベスト30にも常連。なのにブラック!」
ある人は、「金融です。10人に1人はうつ病か予備軍です。今は名も知られていない企業に転職しましたが、定時上がりで給料も人間関係も恵まれています。大手だから、有名だから、自分に合う会社だとは限らないんだと転職で学びました」と語る。
「入ってみなきゃ、ブラックかどうかわからない会社が多いもんね」という意見が多く、「会社は本当に博打」という書き込みが賛同を集めていた。
さらに、安定した就職先として根強い人気の公務員がブラックという恐ろしい証言もある。
「本当のブラックは国家公務員だと思います!冷暖房なし当たり前で残業300時間の友人が瀕死の状態…」
「大学の時に頑張って勉強して超氷河期の時に国家公務員になった。そんじょそこらのブラック企業なんてもんじゃなかった。辞めてなかったら、精神的に壊れてたと思う」
どこの省庁か明言はないものの、2015年8月26日の朝日新聞の記事を思い出した。霞が関の中央官庁で、夜中の1時半に職場の明かりが消えていない率が一番高い(60%)のは、皮肉にも厚生労働省だった。
労働条件は書面で確認、もしブラックだったら壊れる前に転職を
ブラック企業に出会う場所としてはハローワークが「定番」になっているという声もあり、嘘だらけの求人広告に翻弄されるパターンも多数。何を信じて職探しをすればいいのか本当に分からなくなる。
それでも、ハローワークでは事実と違う求人を出した企業を取り締まる動きも出てきている。求職者側でできる自衛策としては、まずやはり労働条件はあらかじめ書面で受け取り、残業代込みの基本給金額に騙されないようにしたい。
ブラック企業に関する報道を日頃からチェックし、キャリコネの口コミも参照するなど、あらかじめ自分でできる範囲のことはしておきたい。それでも入社した企業がブラックだった場合は、心身が壊される前にすぐに辞める気持ちを持っておくべきだろう。