2016年12月07日
2016-17アジアン・ル・マン・シリーズ第2大会(日本・富士)レビュー
--チーム・ランキング2位へ浮上--
■大会概要
開催地:日本・静岡県(富士スピードウェイ:一周4.563km)
開催日:2016年12月2日(金)~4日(日)
■富士レビュー
12月3日(天気:晴れ/路面:ドライ)予選8番手(GTクラス)
12月4日(天気:晴れのち曇り/路面:ドライ)決勝4位(GTクラス)
静岡県の富士スピードウェイで12月2日~4日、全4大会で構成される2016-17アジアン・ル・マン・シリーズ(AsLMS)の第2大会が総勢27台(GTクラスは13台)の参加により実施されました。
イタリア・フォルリに本拠を置くヴィンチェンツォ・ソスピリ・レーシング(VSR)は、ランボルギーニGT3ジュニア・プログラム・ドライバーのケイ・コッツォリーノ、ランボルギーニGT3ジュニア・プログラム・ドライバーのコリー・ルイスに加えて、スーパーGTやスーパー・フォーミュラで活躍している関口雄飛を今回は新たに起用し、AsLMSのGTクラスに車両番号「6」の「ランボルギーニ・ウラカンGT3」で挑みました。
3日に実施された15分間の予選は、クルマにもサーキットにも慣れているコッツォリーノが担当して8番手につけました。
4日に実施された4時間の決勝はコッツォリーノがスタート・ドライバーを担当、1周終了時点で早くも5番手へ浮上しました。レース開始直後にクラッシュが発生、セーフティカー(SC)が導入されたタイミングでピットストップを実施。順位の後退を承知で、少ないながらも燃料を補給して、残る3時間50分のレースにおける戦略の幅を広げました。
これにより一時は11番手まで後退するものの、コッツォリーノは自己ベストラップを叩き出しながら3番手まで順位を上げた35周終了時点でピットストップ、ルイスへステアリングを託しました。チームメイトの快走に刺激を受けたルイスも着々と順位を上げて84周終了時点でピットストップ、最後のスティントを関口に委ねました。
関口は6番手まで落ちた順位を着実に挽回し、90周過ぎには表彰台圏内の3番手まで浮上。もっとも、チェッカードフラッグまで残り約10分の時点で燃料を補給するためピットストップを強いられました。
レース中盤から終盤にかけてSCが1、2度導入されれば必要がなかったピットストップでしたが、天はVSRに味方しませんでした。
最終的には4位でフィニッシュ。とはいえ、チーム・ランキングは3位から2位へと浮上し、チーム・チャンピオン獲得と2017年ル・マン24時間出場権獲得に向けて大きく前進しました。
なお、AsLMS第3大会はタイのチャン・インターナショナル・サーキットで、2017年1月6日~8日に開催されます。
■ケイ・コッツォリーノのコメント
「僕が当したスタートには満足しています。レース開始直後はあちこちでブロンズ・ドライバーによるスピンや接触がありましたが、僕は4時間後の順位が重要と考えていたのでさほど無理はしませんでした。
目の前でフェラーリがスピンして正面衝突しそうになったり、危ない場面は何度もあったとはいえ基本的にペースは良かった。1分39秒7とか1分39秒8とか連発できていましたし、個人的には満足できる走りができていました。
ただ、僕らのスターティング・グリッドがLMP3マシンと混じる微妙な位置だったので、無駄な競り合いを強いられてタイムを失ったのは残念。今回の富士スピードウェイは開幕戦の珠海国際サーキットよりも速度域が高く、我々がクルマに求めていたバランスを完璧には作れませんでした。
その点では非常に苦労したものの、反省点は明確になりました。さらにチーム・ランキングは2位へ上がり、最低限の結果を今回は残せたと思っています」
■関口雄飛のコメント
「僕が運転した最後のスティントではラバーが載って、路面が良くなっていたからでしょう。アンダーステアが強く、自分が持つ本来のポテンシャルを発揮しきれませんでした。
また、ブレーキの状態も予選日に乗ったときより厳しかった。まったく余裕はなく無線で“プッシュ”の指示がある前から限界まで攻めていましたが、ペースは思うように上がりませんでした。
今回の決勝でのペースは自分の想像とは違うものでしたが、さまざまな要素が絡んでのことなのでまったく気にしていません。それは最終スティントを走行した僕がいちばんよく分かっています。
とはいえ、長いレースを接触やペナルティなく終えることができ、チーム・ランキングも2位に上がったので非常に満足しています。
次のチャン・インターナショナル・サーキットはチームもケイもコリーも未知の場所で、レース経験があるのは僕だけ。自分がVSR全体を引っ張り、必ず表彰台に立てるよう準備万端で臨むつもりです」
■2016-17AsLMS/GTチーム・ランキング(上位5チーム、第2大会終了時点)
1位 DH Racing 37点
2位 VSR 27点
3位 Race of Spirit 26点
4位 Clearwater Racing 24点
5位 Team BBT 19点