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ネクストブレイク筆頭株! 浜辺美波は『咲-Saki-』で“抜きん出た素質”見せられるか

2016年12月07日 14:01  リアルサウンド

リアルサウンド

(c)小林 立/SQUARE ENIX・「咲」プロジェクト (c)Ritz Kobayashi/SQUARE ENIX

 2006年に漫画雑誌『ヤングガンガン』で連載がスタートした小林立の人気漫画『咲-Saki-』。天才的な麻雀センスと強運の持ち主である宮永咲が、高校の麻雀部に入り、全国大会を目指すというストーリーだ。今回の「『咲-Saki-』実写化プロジェクト」では、全4話の連続ドラマと、そして年明けのスペシャルドラマの放送、そして来年2月には映画版が公開となる。


参考:岡山の奇跡=桜井日奈子のポテンシャルは計り知れない! 次々と見せる新たな顔を分析


 実写化にあたり最も注目が集まっているのは、そのキャスティングである。主人公たち清澄高校麻雀部を筆頭に、ライバル校となる龍門渕高校、鶴賀学園、風越女子の4校で計20人の若手女優が一堂に会するのだ。女優を本業にしている者から、これが演技初挑戦となるグラビアアイドル、アイドルグループのメンバーなど、そのバラエティに富んだ顔ぶれは、決して見逃せない。


 6日深夜(関西圏では4日深夜)に放送された第1局では、主人公・宮永咲がひょんなことから麻雀部の部室を訪れ、対局に参加させられる。子供の頃から家族で打っていたときに身についた癖から、勝つよりも難しいとされるプラマイゼロのスコアを出し続ける彼女に、麻雀部のメンバーは圧倒されるというもの。


 これはアニメ版の第1話とほぼ同じ流れで進んでおり、冒頭での咲と原村和との出会いの場面、そして対局場面でのエフェクトのかけ方まで見事に再現されている。大きく改変している点といえば、原作とアニメでは登場する、咲の幼馴染である須賀京太郎が登場しないことだろう。麻雀部唯一の男性部員であるこのキャラクターを登場させないことによって、ガールズムービーとしての面を強調させる狙いがあるのだろうか。


 さて、本当であれば20人全員をしっかりと紹介したいところだが、このペースでドラマが進むとなると、豪華なメンツが顔を揃えるのはおそらくスペシャル版か、映画版までお預けとなるだろう。なので、まずは主要なキャラクターから順を追って押さえていくことにしよう。まずは今回、宮永咲役で連続ドラマ・長編映画ともに初主演を果たした浜辺美波だ。


 昨年秋に放送されたドラマ版『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない』で、“めんま”を演じ、その知名度を急激に伸ばした彼女。その放送時に彼女の持ち前の演技ポテンシャルに注目したが(参照:浜辺美波は『あの花』めんま役にふさわしい? 女優としてのポテンシャルを検証)、この一年でさらに磨き上げられた印象を受ける。


 『あの花』直後に放送開始した連続ドラマ『無痛~診える眼~』で、心に傷を抱えた少女を、髪を金髪に染めて演じ、強烈な印象を植え付けられた。今年に入ってからは『ONE PIECE』の特別版で声優デビューを果たしたり、『必殺仕事人2016』では時代劇にも挑み、12月17日公開の『妖怪ウォッチ』の映画第3弾では実写パートに出演を果たす。さらに来年夏には同名の人気小説を映画化した『君の膵臓をたべたい』で主演を務めるなど、大きな仕事が目白押しだ。


 今回の『咲-Saki-』では、ショートボブのヘアスタイルで宮永咲を再現しただけでなく、未経験だった麻雀を徹底的に勉強してこの役に臨んでいるとのこと。既存のキャラクターに自身を近付けるというタイプの演技は、『あの花』ですでに実践されている。しかし今回の宮永咲というキャラクターは、取り立てて個性が強いわけではなく、それをどう演じきるかは、彼女の素質にかかっている。


 有望な若手女優たちのアンサンブル、そしてその多くが実に個性的なキャラクターを演じている今回の『咲-Saki-』で、今最も注目を集める女優・浜辺美波は、素質の差を見せつけることができるだろうか。今後の放送に大いに期待したい。(久保田和馬)