世界ラリー選手権(WRC)に参戦するヤリ-マティ・ラトバラは、2017年シーズンはトヨタからWRCへ参戦する可能性が高まった。
ラトバラが所属していたフォルクスワーゲンは、16年限りでWRCを撤退。契約下にあったラトバラ、セバスチャン・オジエ、アンドレアス・ミケルセンの3名は急きょシート探しを強いられており、その行方に関してはさまざまな憶測が飛び交っている。
そんななか、トヨタのWRCプログラムを率いるトミ・マキネンと同じフィンランド出身のラトバラが、今週中にもトヨタと契約を交わし、来週にはフィンランド・ヘルシンキでヤリスWRCのテストに臨むと報じられた。
ある情報筋の話では、ラトバラはすでにトヨタとの契約が発表済みのユホ・ハンニネンとともにシリーズ全戦へエントリーするという。また、トヨタが17年春以降に投入する3台目のヤリスWRCには、今年シュコダからWRC2に参戦したエサペッカ・ラッピが乗り込むようだ。
ラトバラ自身は契約に関して言及することを拒否。「サインをしたかどうか、明言はできない」と述べている。
「トミ(・マキネン)と僕のマネージャーを務めるティモ・ヨキは度々、交渉を重ねている。しかし、契約書にサインしたか教えることはできないんだ」
来年1月の開幕戦モンテカルロに参戦できる可能性について問われると、「1週間前に同じ質問をされていたら、前向きな回答はできていなかっただろう。ただ、今は(参戦に)自信を持つことができているよ」と応じている。
また、トヨタはWRCの4年連続チャンピオンであるセバスチャン・オジエにはヤリスWRCでの走行チャンスを提供したものの、ラトバラはその機会を与えられていないという。
「どのメーカーも、セバスチャン(・オジエ)は喉から手が出るほど欲しい逸材だ。だから、オジエにテストの機会を与えるのは理解できる」とラトバラ。
「僕はまだ(ヤリスWRCを)ドライブしていない。ただ、シトロエンもオジエにテスト走行を許可しなかったことを忘れないで欲しい。事前にマシンをテストさせるのは、簡単なことではないんだよ」
トヨタにラトバラが加入した場合、同じくトヨタ移籍を目論んでいたとされるミケルセンは別のチームと交渉に臨む必要に迫られる。しかし、その交渉相手もオジエの動向によって変化する情勢だ。
オジエの移籍先最有力は依然としてMスポーツだが、中東からの資金援助を受け、プライベートチームとして2017年型ポロR WRCを走らせる可能性もあるという。その一方で、古巣シトロエンへ復帰する可能性はなくなってしまったと報道されている。
なお、トヨタは12月13日にヘルシンキで2017年のWRC参戦体制を発表する。