メルセデス・モータースポーツのボス、トト・ウォルフが、ニコ・ロズベルグの後任としてフェルナンド・アロンソを検討していることを認めた。
ロズベルグは自身初のF1タイトルを獲得した5日後、F1引退を発表した。メルセデスは急きょ、2017年に向けてルイス・ハミルトンのチームメイトを探さなければならなくなった。すでにほとんどのドライバーたちは来年の契約を結んでおり、選択肢が少ない状況のなか、ウォルフはライバルチームからスタードライバーを引き抜くことはしたくないが、その可能性はゼロではないと語っている。
F1の商業面を取り仕切るバーニー・エクレストンは、自分の考えではハミルトンのチームメイトの座にアロンソが就くことが望ましいとロイターに対して発言した。
アロンソの名前が候補として挙がり始めると、マクラーレンのボスであるザック・ブラウンとエリック・ブーリエは、アロンソとは来年の契約があり、彼はチームに満足していると発言し、移籍の可能性を否定した。
しかし今週、Sky Sportsの独占インタビューに答え、ウォルフは「フェルナンドのことを検討すべきだ」と語った。
「私は彼というドライバーを非常に尊敬している。才能、速さ、経験を併せ持つドライバーだ。彼はすべてを持っている」
「ただ彼は今、マクラーレン・ホンダと契約を結んでいる。我々は他の選択肢をすべて比較評価する必要がある」
アロンソは2015年にマクラーレン・ホンダに加入した際に2017年末までの3年契約を結んだ。チームはパフォーマンスに基づいて契約を解除できる取り決めはなされていないと示唆している。
メルセデスの候補としてはセバスチャン・ベッテルの名前も挙がっているが、ベッテル自身がフェラーリとの契約を強調し、移籍を否定した。レッドブル・レーシングのダニエル・リカルドとマックス・フェルスタッペンも固い契約を結んでおり、移籍はほぼ不可能であると考えられている。
すべてを考え合わせると、パスカル・ウェーレインの起用が最も現実的だ。彼はメルセデスのジュニアドライバーであり、今年マノーでのデビューシーズンで素晴らしいパフォーマンスを見せ、ドイツ出身であり、来季契約を持っていない。
ウォルフは、ロズベルグの後任として3つの選択肢があると述べていた。それはハミルトンのセカンドドライバーとしての選択、ジュニアドライバーの昇格、ハミルトンに並ぶ有力ドライバーの起用だ。
しかしその後、ウォルフは「これまでどおりドライバーふたりを平等に扱い、同等のチャンスを与える」と述べ、ハミルトンを絶対的なナンバーワンドライバーの位置付けとすることを想定したチームメイト選びはしないと示唆した。