世界王者ニコ・ロズベルグの引退はメルセデスF1マシンの一部分を失うようなものなので代わりを見つけるのは難しいだろうとメルセデスのエグゼクティブディレクターであるパディ・ロウは語った。
2016年F1タイトル獲得のわずか5日後、12月2日にロズベルグは引退を発表しモータースポーツ界全体に衝撃を与えた。
メルセデスF1チーム代表のトト・ウォルフはロズベルグが「現在のF1ドライバーの最高峰」として引退することになると言い、加えてメルセデスチームは後任の候補を挙げるのに時間がかかるだろうとした。
4日にロンドンで行われた受賞セレモニーで国際レーシングドライバーオブザイヤーに選ばれたロズベルグは、ハミルトンをわずか5ポイント差で破り、自身初となるF1ドライバーズタイトルを獲得した。
「エンジニアリング的な見方で言えばニコを失うことは車の一部を失うようなものだ」
「そのロスから回復するために、これからの数週間は後任探しに注力し、確実に最良の決断を下すようにするつもりだ」とロウは語った。
「テクニカル、エンジニアリングの観点から言えば、我々はレースに参戦しチャンピオンタイトルのためのポイントを稼ぐための組織として存在しているのですぐに決断を下すのは難しい。まとまるまでには非常に困難な道のりとなる。我々にはとても手ごわい競争相手がいるんだ」
「この段階でニコのようなチームの要を失うことは我々を少々後退させる要因だ」
「直近の3シーズンでは素晴らしいマシンとそのマシンを作る素晴らしいチームで仕事をしてきた。その過去の記録を破るためにもミスなくポイントを稼ぐ最高のドライバーが必要なんだ」
ロズベルグは2016年シーズン中9戦で優勝、8回ポールポジションを獲得し、全21戦中表彰台を逃したのは5回だけだった。
しかしロウは、ロズベルグが去ることによってチームが後退してしまうにも関わらず、彼の決心は「理にかなっている」と述べている。
「人間的な側面があって、ニコがあんなに勇敢な決断をしたことに対して世界中の人々とともに我々も賞賛の気持ちを分かち合っている」
「我々は彼を良く知っているし、家族も知っている。彼が望む変化を我々は理解している」
「そのためニコの決断は、我々にとっても理にかなっているものだった。それは人間的な捉え方だ」