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"キング"と"チャンプ"の熱すぎるコラボ! RHYMESTER、SCOOBIE DO「ベストバウト VOL. 3」レポート

2016年12月05日 19:11  リアルサウンド

リアルサウンド

「ベストバウト VOL. 3 沸騰!KINGとCHAMPな男達」(写真=Shun Komiyama)

 RHYMESTER主催で行われている対バン・ライブ・シリーズ「ベストバウト」と、自主レーベルである「CHAMP RECORDS」の設立10周年企画としてSCOOBIE DOが渋谷クラブ・クアトロにて行っている対バン企画「CHAMP RECORDS 10周年記念 クアトロマンスリーシリーズ」が合体して行われた2マン全国ツアー・イベント「ベストバウト VOL. 3 沸騰!KINGとCHAMPな男達」。即完売で満員となった東京会場は、ファンの期待と熱気がスタート前から渦巻いていた。


 先行はRHYMESTER。今年の主催フェス「人間交差点2016」で初披露された未音源化楽曲である「スタイル・ウォーズ」で幕を開けたステージは、今回のツアーで初めて披露されてきたALI-KICKプロデュースの「Back & Forth」に展開。「ライムスターの新曲のライブ下ろし史上、一番感触がつかめた(宇多丸)」「『俺たち……格好いい!』と思える曲(MUMMY-D)」と話すように、ハイパーなビート展開と2MCのすさまじいラップの掛け合いの組み合わせは、「B-BOYイズム」や「K.U.F.U.」の系譜に繋がるような、RHYMESTERライブでの定番&爆発曲になる事が予感させる一曲。それはこの曲に繋がって「B-BOYイズム」へとライブが展開していったことからも伺えるだろう。また、「SHAFT IN AFRICA」を使っての二枚使いやスクラッチといった「ターンテーブル・ライブ」ならではの表現方法を丁寧に説明してから披露した「ライムスターイズインザハウス」や、RUN-DMC「WALK THIS WAY」を使っての「We Love Hip Hop」など、「ヒップホップの原点」や「ライムスターの原点」のような部分を強く押し出した構成が印象的だった。


 後攻のSCOOBIE DOは、初っ端から「PLUS ONE MORE」「新しい夜明け」と飛ばしまくり、RHYMESTERが「SCOOBIEのライブは盛り上がるすぎる」とMCで話していた危惧(?)がそのまま的中したような、スピーディかつドライヴィンなライブを展開。MCではRHYMESTERとの出会いや、「RHYMESTERのヒップホップが大好きだ!」というラブ・コールもはさみ、「真夜中のダンスホール」「Back On」「また会いましょう」と矢継ぎ早に展開し、一旦それぞれのライブは終了。


 そして、二組がともにステージに立ち、「ベストバウト」シリーズの真骨頂とも言える、コラボレーション・セッションでのライブがスタート。RHYMESTER「BIG MOUTH」で始まったコラボは、SCOOBIE DO「What’s Goin' On feat, RHYMESTER」「やっぱ音楽は素晴らしい feat. RHYMESTER」など、フィーチャリングとして既に発表されている曲に加え、RHYMESTER「Kids In The Park」「グラキャビ」のバンド・アレンジ・セッションでは、コヤマシュウの書き下ろしラップが加わり、この場でしか聴けないエクスクルーシブも披露された。この二組はお互いに認め合う相性の良さもあり、阿吽の呼吸で生まれるグルーヴと、曲が生まれ変わり新しい魅力をまとい直して躍動する様は本当に圧巻。セッション・ライブの醍醐味を存分に味わうことになる。


 アンコールでは再び二組でステージに戻りRHYMESTER「雨上がりの夜空に 35」から、RHYMESTER「This Y'all, That Y’all」 と展開し、テンションを最高潮に高めたままライブは終了。「KING OF STAGE」RHYMESTERと、「LIVE CHAMP」SCOOBIE DO。その意味ではライブ・タイトル通り、「キング」と「チャンプ」ががっぷり四つに組んだ事によって生まれた化学反応は、沸騰どころかスパークするほどの熱気を放っていた。そしてこのコラボ・ライブにはお互いに確信があったようで、「このコラボは定番にしたい」と話していたことが再び実現することを祈らずにはいられない、充実のライブだった。(文=高木 "JET" 晋一郎)