先日の発言小町で、"年収が高い世帯に国は冷たい"という内容の書き込みがあった。「高所得世帯は子ども産むな!という日本に対して」というやや挑発的なタイトル。冒頭にはこう書きこまれている。(文:みゆくらけん)
「年収900万超えるといろんな手当がなくなる」
「義務は大きく負ってるのだから、権利は平等にして」
トピ主は「地域によるが、まず児童手当が年収900万以下の家庭でなければもらえない」とし、「子どもの医療費助成も高校無償化も所得制限がある。800万を超えてくるとほぼ全額自己負担」と不公平感を訴え、
「多額に税金納めてなお、手当まで取り上げられたらそりゃ誰も(子どもを)産まないわ。だって国が、『高所得世帯は子ども産むな!』って言ってるもん。もういいや。一人っ子で!」
と怒りで締めている。
この書き込みに対し、
「『高所得世帯は子供産むな』なんて誰も言っていない」
「高所得世帯は自力で何でもできるからサポートがないだけ」
「お金の有り余っている世帯にまで補助金を出してたら国の財政が持たない」
などとトピ主への批判が集まったが、それは予想通り。一方で意外なほど多く集まったレスが「わかる!」「ほんとにそう!」とトピ主に共感する声だ。
「年収は1500万だが子どもが3人いて手当てが付かないから年収500万ぐらいの感覚」
「同じ子ども一人育てるのに、なんで自分たちだけこんなに支払わなきゃいけないんだって頭に来ますよね」
「手当=権利、納税=義務。こう考えると、権利は減らされて義務は増やされているのが高所得世帯。どう考えてもおかしい。義務は大きく負ってるのだから、権利は平等にしてもらいたい」
「高度不妊治療を数年続けてきて、私の収入は相当額が治療に消えてます」
特に目立ったのは「中途半端な高所得者が一番キツイ」という声だ。
「突き抜けた富裕層ならそんなのどうってことないんでしょうけど、年収1000万円くらいの中途半端な層はほんと辛い」
確かに、助成や手当の対象外になりやすいのは年収800万ぐらいから。ボーダーラインから大きく外れた超富裕層ならまだしも、800万~1200万円ぐらいの層は、手当や助成が受けられないのに支払う税金が大きく、損をしていると感じやすい傾向にある。子どもの数が多いとなおさらだ。
特に子どもの医療費や高額療養費(医療費が高額になり、自己負担の限度額を超えた場合に、超えた分のお金を払い戻されるもの)の自己負担は想定外に膨らむケースがある。また、不妊治療の助成金対象が730万未満の世帯というのも微妙なラインだ(不妊治療費は高額!)。共働きで世帯収入は1000万を超えているが、治療に莫大な費用がかかっているというある女性は、
「高度不妊治療を数年続けてきて、私の収入は相当額が治療に消えてます」
と嘆いている。
しかし考えてみれば、財源にも限りがあるし"全ての人に平等"という理想的な社会システムを求めるのはそもそも無理があるハナシ。だからこそ、書き込みの中にあった
「手当てなどは『ない』のが普通で、あれば有り難いもの」
「手厚いサポートなしでも立っていられる、と社会が認めてくれている」
という受け止め方をしなければ仕方がないのかもしれない。「納得いかん!」という人たちの声が聞こえてきそうだけど……。
あわせてよみたい:「脱ゆとり」に怒り爆発