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MotoGP:ホンダ・チーム・アジア、2017年のMoto2&Moto3チーム体制を発表

2016年12月02日 23:21  AUTOSPORT web

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中上貴晶
MotoGP世界選手権に参戦するホンダ・チーム・アジアは12月2日、2017年にMoto2クラス、Moto3クラスに参戦するチーム体制を発表した。

 Moto2クラスに参戦するイデミツ・ホンダ・チーム・アジアは、日本人ライダーの中上貴晶に加え、Moto3クラスからステップアップしたマレーシア人ライダーのカイルール・イダム・パウイのラインアップで臨む。

 中上は、今季のオランダGPで初優勝を遂げ、合計で4回表彰台に登り、ランキング6位で終えた。2017年に向けたテストでは連日トップタイムを記録し、悲願のチャンピオン獲得に向け準備万端のようだ。

「来シーズンも再びこのチームからMoto2クラスに参戦できることがとてもうれしく、そして誇りにも思います」と中上。

「2016年はオランダGPで優勝を飾り、何度も表彰台を獲得した良いシーズンでした。厳しい時期もありましたが、それも自分たちをさらに強くする糧になりました。2017年に向けては、すでにヘレステストでトップタイムを記録して順調なスタートを切ることができました。2017年は自分がチームを牽引する存在になり、チーム一丸となって必ずチャンピオンを獲得したいです」

 中上のチームメイトとなるパウイは、今季Moto3クラスでデビュー。ウエットコンディションとなった2戦目のアルゼンチンGPで圧倒的な速さを見せ初優勝を飾った。第9戦ドイツGPでもウエットコンディションを制し、シーズン2勝目を達成。

 パウイは「まず何よりも、僕の2016年Moto3クラス参戦を支え、応援してくれたみんなに心から感謝をしている」と次のようにコメント。

「世界選手権初年度は、たくさんのことを学び、吸収できた一年だった。2017年は、Moto2クラスで新たな挑戦を開始する。レベルと難易度はさらに高く、ふたたびゼロからすべてを学ぶことになるのは承知の上だが、いまは新たなスタートに心からワクワクしている」

 Moto3クラスに参戦するホンダ・チーム・アジアは、ラインアップを一新。日本人ライダーの鳥羽海渡とタイ人ライダーのナカリン・アティラプバパトのふたりを新たに起用する。

 Moto3デビューを果たした鳥羽は福岡出身の16歳。2014年のアジアタレントカップで年間総合優勝を達成し、同選手権の初代チャンピオンに輝いた。2016年は、FIM CEV レプソル選手権で優勝1回を含む3度の表彰台を獲得しランキング4位。同年のレッドブル・ルーキーズカップでも優勝と2位、3位の表彰台を1回ずつ獲得する活躍を見せて、年間ランキングを5位で終えた。

鳥羽はMoto3デビューにあたって「目標にしていた舞台に立つことができ、本当にうれしく思います。ですが、今はまだスタート地点で、ここからが本当の勝負の始まりです。決して楽な世界ではないことは、覚悟をしています。常に自分に厳しく、また、周囲への感謝を忘れずに、みなさんへ最高のレースをお見せできるように力いっぱい頑張りたいです」と意気込みを語っている。

 鳥羽のチームメイト、アティラプバパトも今回がMoto3デビュー。タイ王国コーンケーン県出身の20歳で、2015年のアジアタレントカップでは、母国のチャン・インターナショナルサーキットやマレーシアのセパンサーキットで優勝を飾り、ランキング4位でシーズンを終えた。2016年には、FIM CEV レプソル選手権に出場した。

「経験豊富な素晴らしいチームからMoto3クラス世界選手権に参戦することが決まり、感謝と喜びの気持ちでいっぱいだよ。世界最高の選手たちと戦いながら、どんどん自分の実力を向上させてゆきたい。2017年の目標はルーキー・オブ・ザ・イヤーの獲得。全力を出し尽くして目標に挑戦してゆきたいね」とアティラプバパト。

 チームの監督を務める岡田忠之監督は2017年のチーム体制について次のようにコメントしている。

「(Moto3クラスでは)来季は新たに日本人ライダー鳥羽と、タイ人ライダーのナカリンを起用します。既にバレンシアテスト2日間を終え、それぞれライダーとしてのポテンシャルをしっかりと確認できました。世界選手権のMoto3クラスは、彼らにとって更に高いハードルになると思いますが、技術・メンタル・体力面を強化しながら、良いパフォーマンスをみなさんにお見せできるよう、チーム一丸となって戦ってゆきたい」

「中上はシーズン中盤から調子を上げ、念願の初優勝を達成できました。当然、来季はチャンピオン候補の一角となり、このクラスの日本人チャンピオンを狙っていくでしょう。Moto3からステップアップしたパウイに関しては、普段からのバイクトレーニングなどを通して技術とメンタルを鍛えており、日本人以外のアジアンライダーで十分にチャンピオン候補となる可能性を秘めたライダーだと期待しています」