映画『おもてなし(仮)』のキャストが発表された。
日本と台湾の合作映画となる『おもてなし(仮)』は、昨年に逝去した前大阪商工会議所会頭の佐藤茂雄によって企画された作品。関西の観光客来訪促進と地域活性化を目的とした映画プロジェクトによって製作される。
物語の舞台は琵琶湖畔。経営難の旅館を守る母と娘、旅館を買収した台湾人の男とその息子が、わだかまりを残しながら旅館の再生のために短期間の「おもてなし教室」に参加するというあらすじだ。文化や歴史、性別の違いから様々な騒動が起きる様を描く。
発表されたキャストは夫が残した旅館を守る妻役の余貴美子、その娘役の田中麗奈、旅館を買収する台湾人男性役のヤン・リエ、その息子役のワン・ポーチエ。さらに木村多江、藤井美菜らも出演者に名を連ねている。監督は台北在住のジェイ・チャン。
同作は11月から12月にかけて関西を中心に台湾・花蓮などで撮影を実施。2017年秋に中国でインターネット配信されるほか、台湾、日本で公開される。
■ワン・ポーチエのコメント
私がこの映画に出演しようと決めた理由は、脚本が好きなのはもちろん、最大の理由は日本で撮影できることです。以前、東京国際映画祭で日本に来たことがあって、その時から日本が大好きで、こんなにも綺麗な国で、しかも文化の古都である京都で撮影される作品に参加できることに興奮が止まず、とても楽しみです。また、日本の役者との共演も初めてなので、きっとこれまでと違った火花をお見せできると思います。この役柄の一番難しいところは、最初は京都が嫌いだという設定です。なぜなら、本当の私は京都が大好きなのに、その逆の気持ちを演じるのは本当に難しいと感じています。とにかくこの心温まる映画を最高の作品にし、皆さんにお届けしたいと思います。
■田中麗奈のコメント
現場で指揮をとっているジェイ・チャン監督は監督だけではなく、今回の脚本家、更にキャメラマン、プロデューサーまでもやられていて本当にバイタリティー溢れる方だと思います。台湾と日本それぞれの俳優、スタッフチームが互いに、刺激をしあいながら協力し現場を作り上げていくことに、私も毎日ワクワクしています。日本最大の湖、琵琶湖。そして美しい紅葉を背景に、明月館でどたばたさせて頂きます!
■ジェイ・チャン監督のコメント
・『おもてなし(仮)』の企画について
世界各地の観客に、撮影した場所に行きたい、登場人物と同じ楽しい体験をしたい、と思っていただける映画にしたいです。住む場所が違っても、人と人は感情を共有できるからです。
・キャストの配役について
俳優の方々が、自ら進んで演じる役に挑み、没頭してくれるのは、大変光栄です。田中さん、余さん、ワンさん、ヤンさん、ルーさんの事です。さらに、藤井さん、木村さんが加わり、目を見張る理想的な配役となりました。演じていただく登場人物たちは、ユニークで面白いけれど複雑で、しかもいろんな言語や方言を駆使して私たちが生きるボーダレス社会を表現します。私の脚本に命が与えられることに心が躍ります。素晴らしい俳優と私が、皆さんとこの映画を共有できる日が待ち遠しいです。