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「ハミルトンへの指示は正当なものだった」。メルセデスF1技術代表がチームの戦略を擁護

2016年12月02日 08:11  AUTOSPORT web

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チームの指示を拒否したハミルトン
メルセデスのエグゼクティブディレクターであるパディ・ロウは、議論を呼んでいるアブダビGP決勝におけるハミルトンに対する指示について、ライバルの脅威を懸念したためで、正当なものだったと語った。

 ハミルトンはタイトル争いで逆転するために、ペースを上げて確実に勝利せよという指示を無視し、チームメイトのニコ・ロズベルグの前で意図的にペースを落とすことで、彼を後続とのバトルに巻き込ませようとした。

 ハミルトンのレースエンジニアは、ロウが直接指示を出す前に無線でメッセージを送っており、その指示について質問されたロウは、フェラーリのセバスチャン・ベッテルが遅めのピットストップを行った後に急速にペースを上げ、メルセデスの2台に迫ってきたことに対する反応だったと説明した。

「あれはくだらない戯言などではなくて、ベッテルが迫っていたため、可能であれば対応できるかということを、はっきりさせるためのものだった」とロウは説明した。

 ハミルトンからの返事は「実際、僕は今レースをリードしているよ」というもので、指示に従う事はなかったが、最終的にはメルセデスはワンツーを達成している。


 ハミルトンがレースを支配していたかと尋ねられたロウは、「それに反対する理由はないね」と答えた。

「レースをコントロールするのは先頭の特権だ」

「私はマシンを運転しないから、どんなペースが可能だったのかは分からないが、最終的にセバスチャンが非常に速さを増し、僅差でゴールしたのを見ただろう」

「とても接近していた。もしもう1周あったら結果は違っていたかもしれない」

 ロウはハミルトンの行動が“劇的な結末”を引き起こしたと認めつつも、チームがレース中に“いらだっていた”と認めた。

「あれはまさに観客が見たいようなものだったね。素晴らしいショーだった」

「我々としては、レースをコントロールし、リスクを軽減するためにもう少しギャップがあった方がよかったんだがね」

「どんな理由にせよ、ルイスはペースを上げなかった」

「ベッテルが迫っていると彼に知らせたんだ。目標とするペースまで上げなければ勝利が危うくなるかもしれないとね」


 ロウは、メルセデスの代表であるトト・ウォルフのコメントとして、チームの目標はタイトルが懸かっているかどうかに関わらず、レースに勝利することだと繰り返し述べた。

「ドライバーズチャンピオンシップの中で、目標を歪めるということはしない」

「勝利のために、2台のマシンにはよいスタートを切り、第一コーナーをクリーンに抜け、セーフティカーやアンダーカットのリスクを考えてギャップを稼いでほしかったのだ」

「最初のふたつはうまくいったんだ。そして最終的には2台のマシンはワンツーでゴールまでたどり着き、ニコはチャンピオンになることができた」

「今夜はニコのお祝いだ」

「我々がここ3年で成し遂げたことは、最高のドライバーラインナップによるものだ。どちらのドライバーも躍進に貢献してくれた」

「ニコがチャンピオンシップを獲得できたというのはただただ素晴らしいことさ」