レッドブルは、GP2の新チャンピオンとなったピエール・ガスリーについて、2017年のシートは逃したものの、将来的にはF1へ昇格できる可能性があるとみている。
ガスリーはシリーズ最終戦のアブダビで、レッドブル・ジュニアチームとしては初となるGP2チャンピオンを獲得した。しかし、レッドブルは2017年もダニール・クビアトとともにカルロス・サインツJr.をトロロッソに残留させることを決め、ガスリーのF1への昇格は見送られた。
ガスリーは2013年のフォーミュラルノー・ユーロカップでタイトルを獲得した後、レッドブルの育成ドライバーとなった。今年はレッドブルとトロロッソの両チームのために2017年仕様のピレリ製プロトタイプF1タイヤのテストなどを行っている。
レッドブルF1チーム代表のクリスチャン・ホーナーは「ガスリーは2016年は素晴らしい仕事をした。彼がGP2チャンピオンになったのを見るのはうれしいね」と語った。
「彼はテストや開発において重要な仕事をしてくれた」
「今の時点ではF1に彼のためのシートはないが、彼はジュニアチームの中で最も上位のメンバーだ。我々は彼のことをとても高く評価しているから、彼をチームに留め置くよ」
「どのような将来が待ち受けていようとも、F1はかなりの割合で彼の将来に含まれているだろうね」
ガスリーの将来は、レッドブルのモータースポーツアドバイザーでジュニアプログラムを運営しているヘルムート・マルコの手にかかっている。
「自分の唯一の目標はF1に参戦することだとヘルムートに言った」とガスリーは語った。
「僕は常にその目標に向かって突き進むだろうね。でもそれにはチャンスも必要だ」
「何が起こるか様子を見ることにするよ。今の時点では分からないけれどね」
「僕の将来はかなりオープンだけど、F1へ参戦するためにすべてをかけて進み続けることは間違いない」
ガスリーは、GP2のタイトルを決するレースがプレマのチームメイト、アントニオ・ジョビナッツィとの大接戦となり、ジェットコースターに乗っているような気分だったと語った。
「タイトルを獲得できたことには大きな意味がある。今シーズンは精神的にも肉体的にもとてもタフだったからね」と彼は述べた。
「シルバーストンの後、僕の母は3カ月も入院してしまったし、僕は椎骨を骨折して治るのに2カ月半かかった。(2人はサーキットへの移動中に交通事故に巻き込まれた)」
「レッドブルリンクでのレースのような厳しい状況もあった。レースをリードしていたのにグラベルでスタックしてしまったんだ。モンツァでは1位につけていたのにセーフティカーが出て勝利を逃したし、ホッケンハイムでは消火器の問題があった。(消火器が空だったことで3位を剥奪された)」
「正直言って、このシーズンのことで一冊の本が書けるくらいだよ。本当にたくさんの事が起こったけれど、でも決して戦いをやめることはなかった」