1日、世界ラリー選手権(WRC)に参戦するヒュンダイは、2017年のWRCへ投入するヒュンダイi20クーペWRCをアンベイルした。
WRCでは17年に大幅に車両規則が変更されるため、参戦するヒュンダイやシトロエン、Mスポーツ、トヨタは新たに製作したWRカーを投入することになる。
17年規定ではエンジン出力が現在の300馬力から380馬力に引き上げられるほか、車両の最低重量も引き下げられる。また、メカニカルグリップとエアロダイナミクスの強化も進められるため、“史上最速のWRカー”とも呼ばれている。
ヒュンダイはこれまで、9月に行われたパリモーターショーでも新型WRカーを一般公開しているが、これはプレビューモデル。カラーリングはカモフラージュ塗装となっていたほか、チーム代表はさらなる改良を示唆していた。
12月1日に、イタリア・モンツァで開幕したモンツァラリーでお披露目されたi20クーペWRCは、3ドアタイプの市販i20をベースとしたマシン。これまでのi20 WRCと同様に青を基調としたカラーリングにチームスポンサーのシェル、ヒュンダイモービスのロゴも掲げられた。また、マシンのフロント部には空力デバイスが取り付けられており、現行型WRカーとは一線を画すものになっている。
i20クーペWRCのテストは今年4月にスタートしており、すでに6000kmを走破しているほか、今後も1月のラリー・モンテカルロに向けて、テストを重ねていくという。
チーム代表のミシェル・ナンダンは「大幅な規則変更によって、我々はラリーの新時代へ突入する」と語る。
「新しいレギュレーションは歓迎している。過去3シーズンで培った経験やデータを活かし、情熱を持って開発に取り組んできた」
「どのメーカーもゼロからのスタートで、チーム間の戦力差はリセットされる。17年シーズンに、我々は持ちうるパフォーマンスを発揮してタイトル獲得へ挑む。このヒュンダイi20クーペWRCは、その一助となるだろう」
ヒュンダイのドライバーラインアップに変更はなく、来季もティエリー・ヌービル、ダニ・ソルド、ヘイデン・パッドンの3名でシリーズへ臨む。