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今あらためて読んでおきたいWELQのトンデモ記事 「鬼門を開けてパラレルワールドに行く方法」という完全オカルトものも

2016年12月01日 12:41  キャリコネニュース

キャリコネニュース

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ライターのロベルト麻生です。DeNAが運営するヘルスケア系のキュレーションサイト「WELQ」が燃えまくっていますね。

ITmediaの記事によると、ついに東京都も動き出したようで、都の福祉保健局が11月28日、同社の担当者に来庁を依頼。実質的な呼び出しです。そして、29日にはすべての記事が非公開になってしまいました。

WELQは、肩こりをテーマにした記事で「幽霊が原因かも」と表記するなど、個人ブログならともかく、ヘルスケアをうたう企業サイトにはあるまじき信頼性の低さで大炎上。クラウドソーシングで集められた専門知識ゼロの素人ライターに、安価で記事を大量発注していたようです。(文:ロベルト麻生)

スピリチュアル講座で「ガン、認知症克服にも力を発揮する技法を学べる」

病気について調べるとWELQの記事が検索上位に入ってくる、というのは本当に困ったものですが、ネットウォッチャー的な観点からすると、むしろ怪しさ全開のトンデモ記事こそがWELQの真骨頂ともいえます。

今回はその中でも特にインパクトの強いものをご紹介します。現在は非公開になっているので、ソースにあたりたい奇特な方はキャッシュで確認してみてください。

◆スピリチュアルカウンセラーって何?カウンセラーになる「3つ」の方法とカウンセリングを受ける際の注意点を紹介! (→キャッシュ)

「スピリチュアルカウンセラーは霊的な視点で、アドバイスできるいわゆる『魂のカウンセラー』です」

記事によると、スピリチュアルカウンセラーは相談者の「守護霊・守護天使・前世・ハイヤーセルフ(高次の自分)」とコンタクトを取りながら「今世」での課題を解決するためのアドバイスをしてくれるのだそうで、「霊障」がある場合は「除霊」をすることもあると説明。完全に「ムー」の世界です。

さらに、

「チャネリング能力がずば抜けて優れているスピリチュアルカウンセラーは過去世を遡って相談者の種の起源まで細胞レベルまでを見通すことができるそうです」

と、色々おかしいのですが、凄いのは次の「スピリチュアルカウンセラー養成講座の例」の部分です。

「上級プログラムの例(2日間/10時間) 身体的病に特化したエネルギーワーク、除霊・浄霊など体と心の悩みを解決するセッションスキルを学びます。肩こり、頭痛といった悩みから、ガン、認知症克服にも力を発揮する技法を学べる」

薬機法(旧薬事法)も何もあったものではありません。素人ライターがネット上にあるスピリチュアル系の情報を適当にまとめただけだとは思いますが、運営側の編集・検閲が全く機能していないことがわかります。

「ネット上では、実際に試した人が不審死を遂げた、といわれています」

次はもはや「健康」や「医療」が全く関係ない完全なオカルトものです。

◆パラレルワールドに行ってみたい!?どんな世界を指すの?行き方や実際の体験談&映画や小説作・漫画なども紹介します! (→キャッシュ)

ヘルスケアサイトを謳っているのに、なぜこんな記事があるのか謎ですが、「53,927views」とあるので、それなりに人気のページだったようです。「パラレルワールド」とグーグルで検索すると1ページ目に出てくるので、やはりSEOが強力です。

記事はパラレルワールドとは何か、から始まり、「地球空洞説」を取り上げて地球内部にパラレルワールドが存在するという説を紹介。ここまではオカルト系サイトでありそうな流れですが、面白いのはパラレルワールドに行く方法をハウツー形式で紹介している点です。

「エレベーターを使ってパラレルワールドに行く方法」
「紙を使ったパラレルワールドに行く方法」

などで、中でも手間がかかるのが「鬼門を開けてパラレルワールドに行く方法」。まず、秋葉原から日比谷線に乗り、茅場町や高田馬場などで「ホームにある塩を蹴散らす」といったミッションをこなします。最後に築地駅から再び日比谷線に乗り、

「目を閉じて手を組んで、あなたが一番したいことを考えながら、そのまま乗っていてください」

ということなのですが、「ネット上では、実際に試した人が不審死を遂げた、といわれています」とも書いており、ネタだとしてもヘルスケアサイトでそんな方法紹介するなよ!と突っ込みたくなります。また、記事の最後の方では、

「願望実現に繋がらない世界にいると思ったなら、既に併存している願望実現に繋がる世界に移動してしまいましょう」

と呼びかけていて、ふざけているのかマジなのかわからないところが不気味です。

実は、いずれの方法も2ちゃんねるのオカルト板などに記載されているもので、それをライターがまとめたようです。ちなみにこのライターは、プロフィール欄によると、消化器内科と呼吸器科で看護師をしている方なのだそうです。一応医療業界関係者なのですね……。

結局のところコンテンツは地道に作るしかない、ということか

いかがでしたか? 

「WELQ 気功」などで検索すればわかるのですが、こうしたトンデモ記事はほかにもあります。ネタとしては興味深いのですが、正確であることが求められるヘルスケアサイトに載せていいかは別の問題です。特にスピリチュアルカウンセラーの記事なんかは、重い病気に悩む人が読んで真に受けたら非常に危険です。

今後の展開としては、WELQは専門家のチェックを通った記事だけを再公開。MERYなど、他のキュレーションサイトも過去記事の精査をして、という感じでしょうか。いずれにせよ、これまでのペースでの記事更新は難しくなります。

安価で大量の記事を生成し、上手くいけば月間数億ものトラフィックをとれるキュレーションサイトは、企業からすると魅力的ではあります。ただ、何でも効率を追求すればいいわけではない、ということでしょう。

結局コンテンツは地道に作るしかなく、メディア業界の片隅にいる人間としては、やはり「土に根をおろし、風と共に生きよう」と再度胸に誓った今日この頃です。

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