FIAの地域選手権であるERCヨーロッパ・ラリー選手権の2017年暫定カレンダーが発表され、ラリー・サンレモがチャンピオンシップの一部だった2013年以来、初めてイタリア大会が復帰したほか、今後FIAによる最終承認までに新たにふたつのイベントが追加される可能性を残している。
来季から追加となるイタリア戦は『ラリー・デ・ローマ・キャピタル』の名の通り、世界的に有名な闘技場遺跡である"コロッセオ"の近くを通過するステージを特徴とするフルターマック・イベントとして計画されており、WRC時代にも開催されていたサンレモ以来となる、イタリアでのERC開催となる。
そのほか、暫定カレンダーのラインアップには、こちらもWRC時代に「アクロ(悪路)を制するものが、世界を制す」と評された『アクロポリス・ラリー』、ERC名物イベントである美しい景観を持つポルトガルのアゾレス諸島で開催される『アゾレス・エアライン・ラリー』、シュコダで活躍するヤン・コペッキーのホームイベントである『バルム・チェコ・ラリー・ズリン』、こちらもWRC開催経験のあるラフグラベル戦『キプロス・ラリー』、スペイン領グランカナリア島の人気ターマック・イベント『ラリー・イソラス・カナリアス・エル・コルテ・イングレス』、そして東欧ラトビアのグラベル戦『ラリー・リエパヤ』と、ポーランドのターマック『ラリー・ジェシュフ』が名を連ねている。
ERCプロモーターであるユーロスポーツ・イベントは、11月30日にオーストリアのウィーンで開催されるFIA世界モータースポーツ評議会(WMSC)へのリスト提出に先立ち、前述のカレンダーに最大ふたつのイベントを追加することを検討していると明かした。ただし、選手権ポイントは最大6戦分が有効として扱われる。
また、ERCのドライバー育成部門であるジュニア選手権も全6戦で開催予定。来季は新たにカナリアとローマが加わり、有効4戦で争われる。
ERCの選手権コーディネーターを務めるジャン-バティスト・レイは、来季暫定カレンダーについて次のようにコメントしている。
「3年前に『ラリー・デ・ローマ・キャピタル』という素晴らしいイベントを立ち上げ、イタリア国内選手権のトップイベントに育て上げたモータースポーツ・イタリアと、こうしてジョイントできることをうれしく思う」
「我々はまた、欧州域内のターマック、グラベルの各ラリー・イベントと長期的な契約を継続できて非常に光栄に感じている。来季は最大で10戦のイベントが予定され、少なくともあと1戦は欧州中心部でのイベント追加を予定している」
「すべてのエントラントがチーム運営のコストカットを進めるなか、我々としても島しょ部開催のイベントに向け、引き続き強力な物流支援を続けていく予定だ」
<2017年FIAヨーロピアン・ラリー・チャンピオンシップ暫定カレンダー>
開幕戦 3月2~4日:アゾレス・エアライン・ラリー(ポルトガル/グラベル)J
第2戦 3月31日~4月2日:TBA(南ヨーロッパ/グラベル)
第3戦 5月4~6日:ラリー・イソラス・カナリアス(スペイン/ターマック)J
第4戦 6月2-4日:アクロポリス・ラリー(ギリシャ/グラベル)
第5戦 6月16~18日:キプロス・ラリー(キプロス、アスファルト/グラベル)
第6戦 8月3~5日:ラリー・ジェシュフ(ポーランド/ターマック)
第7戦 8月25~27日:バルム・チェコ・ラリー・ズリン(チェコ共和国/ターマック)J
第8戦 9月15~17日:ラリー・デ・ローマ・キャピタル(イタリア/ターマック)J
第9戦 10月6~8日:ラリー・リエパヤ(ラトビア/グラベル)J
第10戦 11月3~5日:TBA(中欧/ターマック)J
※J=ジュニア選手権併催