2016年F1ドライバーズタイトルを獲得したニコ・ロズベルグは、メルセデスのチームメイトであるルイス・ハミルトンとの戦いのプレッシャーから、最近のレースではパフォーマンスが落ちていたと認めた。
ロズベルグは日本GPでの勝利によってチャンピオンシップでのリードを33ポイントまで広げたが、その後の4レースではタイトル争いのライバルであるハミルトンにまさる速さを見せることができず、1勝もできなかった。
ハミルトンはシーズン最後の4戦すべてで勝利し、今シーズンの勝利数を合計10回としたが、ロズベルグはその4戦すべてを2位でフィニッシュ、最終的に5ポイント差で初のタイトルを獲得した。
「今年は僕にとってベストなシーズンで、間違いなくベストなレースをしてきた」と、今年9回の優勝を含め、16回の表彰台を獲得したロズベルグは語った。
「でも最後の数レース、特に最終戦では、僕の本当の力を発揮できなかった」
「プレッシャーでパフォーマンスが落ちてしまった。難しい状況だったから、それを切り抜けてタイトルを獲得できたことがとてもうれしい」
「それに対してルイスは失うものが何もなかった」
ロズベルグは、タイトル獲得の妨げになるようなメカニカルトラブルに悩まされながらシーズン終盤に素晴らしいパフォーマンスを発揮したハミルトンを称賛した。
「シーズン終盤数戦でのルイスは、今まで見た中で最高だった。彼にはプレッシャーがなかったからね」とロズベルグは語った。
「彼は失うものが何もない状況で、すごく意欲的に、高い集中力を持って、これまでと同じく素晴らしい仕事をした」
「僕は、(チャンピオン争いの)先頭にいることと、ルイスとの戦いによるプレッシャーがあり、一層難しい状況だった」
「だからこのような結果が出てとてもうれしい」
シーズン中、ロズベルグはタイトル獲得の可能性についての話題を出されても、一戦一戦を戦っていくだけだと答えるにとどめていた。
タイトル獲得後にロズベルグは、昨シーズンの終盤から今シーズンの序盤までで7連勝した後、そういったアプローチを意識的に選んだことを認めた。
「このスポーツでは頭を使うことが重要だ。だからよく考えてみた」とロズベルグは語った。
「自分にとってそれが最良の方法に思えたんだ」
「全体を考え過ぎてしまうとナーバスになってしまう」
「多くの課題と、ワールドチャンピオンになりたいという望みが両肩に重くのしかかってくる」
「シンプルに構え、その瞬間に集中し、野望にとらわれない。そういうやり方が役に立った。ワールドチャンピオンになるという野望はあまりにも大きいものだからね」
「そうした考えから離れて、その一瞬に集中することでうまくいったんだ」
「シーズンの初めからそうするように心がけていた」
「レースに勝っていくうちに、その時点でタイトルのことを考え始めるのは完全に間違っているということがはっきり分かった。だってルイス・ハミルトンはチームメイトなんだから」
「彼は反撃の手を緩めることはない。いつだって最高に手ごわい相手なんだ」