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ASKAタクシー内の映像流出…業界団体「普通考えられない」、関東運輸局に苦情も

2016年11月30日 13:42  弁護士ドットコム

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覚せい剤を使用した疑いで逮捕された歌手のASKAさんが、逮捕直前に乗ったタクシー車内の映像が、テレビの情報番組などで公開されて、インターネット上で物議を醸している。


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ASKAさんは11月28日午後8時20分過ぎ、警察に用意された車に乗って、自宅から警視庁へ出頭した。これに先立って、外出していたASKAさんは同日午後6時半ごろ、大勢の報道陣が待ち構える自宅前にタクシーで戻って来ていた。



このとき乗車したタクシーに搭載されたドライブレコーダーの映像が11月29日、テレビ各局の情報番組などで公開された。その映像には、タクシーの後部座席に乗ったASKAさんが、運転手に対して指示している様子が映っていた。



映像は、タクシー会社か運転手が提供したものとみられるが、ネット上では「プライバシーの侵害になるんじゃないか」「どこのタクシー会社だ?」「犯罪捜査以外に第三者に渡していいものか」といった疑問の声が多数あがっている。



●関東運輸局に複数の苦情が入っている


関東地方のタクシー会社を監督する国土交通省・関東運輸局の担当者は、弁護士ドットコムニュースの取材に対して、「映像が公開された29日以降、『タクシー会社がそんなことをしていいのか』『タクシー会社を指導しろ』といった苦情が複数入ってきている」と回答した。



インターネット上では、タクシー会社を特定する人も現れているが、関東運輸局によると、現在のところ、どの会社なのかといった詳細は把握できていないという。



一方で、担当者は「(映像提供が)どういう法律に違反しているか、はっきりいえない。関東運輸局内でも、対応を検討中だ」と述べた。たとえば、強盗などで、タクシー内の映像がニュースに使用されることがこれまでもあったが、「そのことをいけないことだと言ってきていない。この件だけ特別というのは難しいのではないか」(同担当者)。



東京都内のタクシー会社が加盟する業界団体「東京ハイヤー・タクシー協会」は、弁護士ドットコムニュースの取材に対して、「映像を提供した会社の情報は入っていない。ニュースで流れている映像で特定の会社を限定することはできないし、私たちが調査権限をもっているわけではないので、特定は困難だ」と回答した。



ドライブレコーダーの映像を提供する基準について聞くと、法令上の規定に基づく内容や、捜査協力の一環として外部提供は認めているが、それ以外については認めていないという。「事業者がどこかわからないが、少なくとも捜査協力の一環ではないと理解している。大多数のタクシー事業者は、この運用基準以外で提供することは普通考えられない」と強調した。


(弁護士ドットコムニュース)