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WRC:FIA担当者、16年の出走順規定の誤り認める。「目標とはかけ離れた方向へ」

2016年11月30日 13:11  AUTOSPORT web

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FIAでラリーディレクターを務めるヤルモ・マホネンが、今季のWRC出走順規定が間違った方向へ向かったことを認めた。
FIAでラリーディレクターを務めるヤルモ・マホネンは、2016年の世界ラリー選手権(WRC)で採用した出走順規定が誤ったものだったと認め、現地水曜日に行われる世界モータースポーツ評議会(WMSC)で改定を行うと語った。

 16年の出走順規定では、チャンピオンシップリーダーが大会を通してタイムの出にくい先頭走者を任された。そのため優勝争いに絡む場面が少なくなり競技の魅力を損ねるとして、シーズン中から度々、関係者から批判を受けていた。その一方で、この規定によって今年は計6名ものウィナーが誕生したという側面もある。

 また先日には、FIAが批判の声を受けて17年シーズンに規定を改定すると報道されている。新しい出走順規定ではポイントリーダーは競技初日のみ先頭走者を任されるようになるという。

 マホネンは「規定の変更を進言したのは私なんだ。今年採用したものはやりすぎだったからね」とコメントしている。

「WRCに参戦しているすべてのドライバーと話をした。(規定変更は)難しい決断ではなかったよ。どのドライバーも受け入れると話してくれたからね」

「我々が今年採用したものは、当初の目標とはかけ離れた方向へ向かってしまった」

 水曜日にオーストリア・ウィーンで行われるWMSCでは、上述のルール改定のほか、2017年のWRC開催スケジュールについても正式な決定が下される見込み。来季は全13戦で構成され、9月に発表された暫定スケジュールから中国、トルコの2戦が脱落するとみられる。

「トルコ開催に向けて、トルコ国内の情勢を注視してきた」とマホネン。

「その結果、リスクを負いすぎるべきではないと判断した。中国についても同様だ。可能な限り、不確定要素は排除したいからね」

「この先1年の間に、トルコの政治情勢がどう変わっていくかは誰にも分からない。だから、今回は(開催を)見送ることにした」

 また、17年に新たに設けられる旧型WRカーによるプライベーターカップ、『FIA WRCトロフィー』に関しても、新たな決議が行われるようだ。同シリーズでは、全13戦中7戦のポイントが獲得できる有効ポイント制が採用されるという。

 このFIA WRCトロフィー創設で、Mスポーツやシトロエン/PHスポール、ヒュンダイ、そしてフォルクスワーゲンには、16年型WRカーを有効活用する手段が生まれることになる。