トップへ

K2 R&D LEON RACING スーパーGT第3戦/第8戦もてぎ レースレポート

2016年11月30日 12:01  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

#65 LEON CVSTOS AMG-GT
2016 AUTOBACS SUPER GT
Round.3 IN MOTEGI 250km RACE
Round.8 IN MOTEGI 250km RACE

11/11(金)
公式練習1 9:00~10:00
天候:雨/路面:ウエット
気温:8℃/路温:8℃

公式練習2 13:00~14:00
天候:曇り/路面:ウエット/ドライ
気温:11℃/路温:13℃

 灼熱のタイラウンドから約一か月。秋の足音が聞こえた栃木県ツインリンクもてぎにて、最終戦が行われた。今回は熊本地震の影響で中止となった第3戦の代替レースを設けるため、金曜日に練習走行を行い土曜日に第3戦、日曜日に最終戦という変則スケジュールで行われる。

 また、ウェイトハンデの減算ルールも適用されるため、通常とは違ったレースウィークをどう乗り越えるかドライバーのみならずチーム全員の力も問われる。

金曜日 練習走行
 当初設けられた時間は午前に1時間、午後に1時間の計2時間。しかし極度の雨でコース不良となり午前のセッションは全車ほとんど走行ができなかったため、天候回復を待ち午後のセッションが40分間延長された。

 チームは他車両の状況を見ながらコースイン。ウエットタイヤからの走行となり、常に変わり続ける難しいコンディションのなか車両のチェックを済ませる。徐々に路面は乾いていき、セッション後半は各車スリックタイヤに交換する。

 LEON CVSTOS AMG-GTもスリックタイヤで走行し2番手で公式練習を終えた。各車のタイム差をみると秒単位で開いている状況で、アタックを出来た車両は僅かであることがわかるが上位独占となったMercedes AMG-GT3のポテンシャルの高さを確認できた。

11/12(土)
予選 8:35~
天候:晴れ/路面:ウエット
気温:12℃/路温:13℃

決勝 13:10~
天候:晴れ/路面:ドライ
気温:22℃路温:26℃

Rd.3 公式予選8:35~8:50
 昨夜降り続けた雨は乾ききらず、スリックタイヤを作用させるには乾きが足りない路面状況。最後までタイヤ選択に悩まされた非常にシビアなコンディションのなか、黒澤選手がステアリングを握る。

 チームはウエットタイヤにてコースへ送り出す。スリックタイヤ装着のチームもあったが、耐え切れずピットインを迫られる。15分間一発勝負の予選で記録したタイムは1'58.199。結果は13番手。

Rd.3 決勝 13:10~
 路面状況も良くなり、迎えた決勝。しかしタイヤのコンパウンド選択に最適なデータを採取できていないチームは前半の黒澤選手のスティントで状況を判断し、早い段階で適切なタイヤで蒲生選手へバトンを繋ぐ作戦を取った。

 レースはオープニングラップからガチンコ勝負が続くと思われたが、2周目の最終コーナー手前でクラッシュが発生。5周の間セーフティカーランとなる。

 レース再開からポジションアップを狙うが、ペースの上がらない車両に蓋をされる形で集団に飲まれ思うようにペースアップが出来ない。チームはロスを最小限に出来るチャンスを見て、早めのピットインを行う。

 給油と4輪のタイヤを交換して蒲生選手をコースへ送り出す。アウトラップから抜群のペースを見せつける蒲生選手は上位並みのラップタイムでレースを続け続々とピットインするライバルとポジションを逆転させていく。

 しかし、後半にピットインを済ませた車両のフレッシュなタイヤに打ち勝つことが出来ず、徐々にペースダウン。

 路面温度が下がり始めると、再び速さを取り戻し前走車に0.3秒と射程圏内に捉えるがあと少しというところでタイムアップ。レース終了となってしまった。

 結果は9番手。ポイント獲得となったが、チャンピオン争からは離脱してしまった。明日はポイントによるウェイトハンデがなしで行われるガチンコレース。再びその存在感を示す事が出来るようチームの士気は高い。

11/13(日)
予選8:40~
天候:晴れ/路面:ドライ
気温:11℃/路温:13℃

決勝13:30~
天候:晴れ/路面:ドライ
気温:20℃/路温:26℃

Rd.8 公式予選8:40~8:55
 昨日の予選と同じく、15分間の一発勝負。今シーズン速さを見せ続けている蒲生選手によるタイムアタックが開始された。

 各車一斉にコースイン、タイヤに熱を入れていく。タイムに大きな動きが出始めたのは開始からおよそ9分後。ライバル達がレコードタイムを更新していく。蒲生選手もセッションを5分残した時点で本格的にアタックを開始。1'46.830を記録し、LEON CVSTOS AMG-GTの名をトップへと押し上げる。

 さらにタイムを縮められる勢いを見せるが、グリップ感の低下を感じた蒲生選手は無理することなくピットイン。午後の決勝レースに向けてタイヤを温存する。惜しくもセッション終了30秒前にタイムを更新されてしまい、2番手にポジションダウン。ポールポジションは逃したが、サーキットへ示したK2 R&D LEON RACINGの存在感はかなり大きいものとなった。

Rd.8 決勝 13:30~
 スーパーGT2016シリーズ最終戦。スタートは黒澤選手に託された。2番手のポジションから危なげなくスタートした黒澤選手は、他の追撃を受けるどころかトップへと果敢に襲い掛かる。

 しかし、オーバーテイクポイントの少ないツインリンクもてぎで、相手取ったのはJAF-GT車両。性能調整によりスピードがそぎ落とされたLEON CVSTOS AMG-GTだが黒澤選手はその弱点を感じさせない程の勢いを見せる。

 チームはその勢いを途切れさせないよう、GT500クラス車両の波にのまれタイムロスする直前にピットイン。給油、そしてタイヤは左側2本のみの交換。蒲生選手へとドライバーチェンジし、最短でレースへと復帰させる。

 タイヤ無交換でレースを進めるチームに一時パスされる場面もあったが、上位陣がピットストップを済ませた時点で3番手を走行。

前走車両は目の前。必ず蒲生選手が抜く、チーム内だけでなく、サーキット中が確信した直後、蒲生選手から悲痛な無線が入る。車両トラブルだった。

 ペースダウンを余儀なくされたLEON CVSTOS AMG-GTは最後は自力でピットに戻る事すら不可能であった。そこでレースは終了。コース上でチェッカーを受ける事なく、2016シーズンを終える事となってしまった。

 開幕戦での圧倒的な勝利から始まり、思うようなレースが出来ず苦戦した中盤戦、そして最終戦でのトラブル。2016シーズンはドライバーランキング12位、チームランキング13位と悔しい結果で終えることとなった。

Rd3,8茂木を終えて
溝田監督:
 週末2レース制、金曜日に練習、土日にそれぞれ、予選・決勝と初めてのスケジュールでした。第3戦の予選は、路面が濡れていて判断に迷うコンディションの中、ウエットタイヤで臨み13番手。

 このコンディションを得意とするタイヤメーカーがいる中では、ベストだったと思います。レースでは、晴れた時の予選を考慮したタイヤ選択だった事もあり4本交換。2本交換・無交換の車両が多い展開で、上位に上がる事が出来ず9番手で終えました。

 第8戦の予選は、ドライコンディションで臨む事が出来、終盤に逆転されましたが、2番手。レースは、スタートから良いレースをしていましたが、37Lap目に駆動系トラブルでリタイヤとなってしまいました。

 今期は、開幕戦で優勝する事が出来ましたが、その後は思う様なレースが出来て無かったと思います。更に強いチームになるようオフの間に努力したいと思います。
応援ありがとう御座いました。

黒澤選手:
 第3戦の予選はウエットでなかなかタイヤが温まらずに苦労しました。決勝もストレートスピードが伸びず、前車を抜くまでには至りませんでした。

 第8戦は蒲生選手が予選を頑張ってくれて素晴らしいポジションからスタートできました。スタート直後に前車を抜こうと並びかけましたが、ストレートで離されてしまいました。

 前車より速くなくても、同じくらいだったら何とかなったのですが……。トラブルが出てリタイヤするまでは順調だったと思います。

 本年度、最後のレースでしたが、応援して頂きました皆様、サポートして頂きました各社様本当にありがとうございます。この場をお借りして御礼を申し上げます。
一年間本当にありがとうございました。

蒲生選手:
 第3戦は予選のコンディションが合わなくて中盤になってしまい、決勝では抜きにくいサーキットというのもあって順位を上げるのは難しかったです。でも、ノーミスでレースが出来、ポイントを獲得できました。

 第8戦は予選もうまくいって決勝では上位を走れていましたが、トラブルが出てしまいリタイアとなってしまいました。結果は良くなかったですが、レースの内容は良かったので、今後に繋がると思います。

 皆様、一年間応援して頂き有難うございました。