レッドブルF1チーム代表のクリスチャン・ホーナーは、ニコ・ロズベルグによるマックス・フェルスタッペンの追い抜きは「勇敢なもの」だったとし、アブダビGPでのF1タイトル獲得の決め手となった瞬間だったと述べた。
ロズベルグはフェルスタッペンの後方にいた。フェルスタッペンは最初のコーナーでニコ・ヒュルケンベルグに接触してスピンを喫し、他の上位マシンがピットインしている間、コースにとどまり順位を上げた。
メルセデスは、フェルスタッペンを追い抜く必要があるが十分注意するようにロズベルグに伝えた。フェルスタッペンはしっかり抑え込んでおり、2人は緊迫したホイール・トゥ・ホイールのバトルを繰り広げていた。
再び、ロズベルグはタイトル獲得のため、フェルスタッペンを追い抜くように指示され、彼は、ターン8からターン9にかけてフェルスタッペンを抜き去った。
「あの時点でロズベルグは追い抜くことを決心したようだ。マックスは簡単にオーバーテイクできる奴じゃない。ニコがマックスに仕掛けた追い抜きは極めて勇敢なものだった。私には、あの瞬間がニコのレースの決め手となったと思える」と、レッドブルF1チーム代表のホーナーは言う。
ロズベルグは、ルイス・ハミルトンとのタイトル争いで後続グループに抑え込まれたストレスに加えて、フェルスタッペンを抜くように指示されたことについて「聞きたくない知らせだった」と述べている。
最終的に、セバスチャン・ベッテルがレース終盤でロズベルグの最大の脅威となり、フェルスタッペンはワンストップ作戦をとって4番手となった。
「フェルスタッペンは多くのマシンを短時間で追い抜いたが、タイヤを痛めることはなかった。21周までタイヤを持たせたのは称賛に値するパフォーマンスだ」
ホーナーによると、ワンストップ作戦が可能なことが明確になったのは、ハミルトンから引き離されておらず、ロズベルグがフェルスタッペンへのアタックをやめた時だ。当時、ロズベルグは、マックスの近くには行かないよう指示を受けていた。
「マックスが21周までスーパーソフトタイヤで引っ張ることができたことがワンストップ作成を可能にした」とホーナーは述べている。