ニコ・ロズベルグは、彼が初のF1チャンピオンの座を獲得したアブダビGPは、自身のレースキャリアの中で最もタフなレースだったと語った。
ロズベルグはレース序盤には、マックス・フェルスタッペンを抜かなければ「致命的だ」と指示を受けていた。また、レース終盤のラップではライバルのルイス・ハミルトンからスロー走行で押さえつけられ、後続のセバスチャン・ベッテルからのプレッシャーに耐えなければならなかった。
ロズベルグはハミルトンに次いで2位でフィニッシュし、5ポイント差で世界タイトルを獲得する偉業を成し遂げた。彼の父ケケが世界タイトルを獲得してから34年後ということになる。
ヤス・マリーナでのアブダビGPが人生で一番タフなレースだったかと尋ねられ、ロズベルグは答えた。「そうだね、間違いない」
「何が危うい状況か考えずにいられなかったが、考えるだけではだめだった。乗り越えなければならなかった」
「トニー(・ロス、ロズベルグのレースエンジニア)が(無線で、)チャンピオンシップを獲るにはフェルスタッペンを抜かなきゃダメだと言ったのを聞いた」
「僕は、『なんてことだ!』と思った」
「あまりそういうことは聞きたくなかった。嫌な恐ろしい感じがしたんだ」
「いい気分じゃなかったけれど、でも彼を抜くことができた」
「フェルスタッペンを抜いたことが分かった時の気持ちといったら、今までのレースで感じたことがないほどのものだったよ」
ハミルトンが緊迫した最後の10周でペースを落とし、ロズベルグはチームメイトの彼がこのままこの戦術で行くのか危惧したと語った。
「後続マシンが迫ってくるのが見えるのに、ルイスはゆっくり走っている。一体彼がどのくらいこの走り方を押し通すのかわからなかった」
「彼は完全にぶっちぎりの速さで行くことができたはずなのに。めちゃくちゃな事になるところだった」
「予想がつかなかったことがまた、とてもタフだったよ」
ロズベルグは今季のタイトル獲得については十分な獲得ポイントもあり、大抵において楽観的でいたことを認めた。ヤス・マリーナでのアブダビGPについてもそうだったが、その楽観性は試されることとなった。
「僕はいつも楽観的だが、そうしているのが難しい時というのは常にあるものだ」と、彼は述べた。
「(最終戦の)あの場でさえ、本当に厳しい瞬間があった。フェルスタッペンの後ろにいた時や、レース終盤の時のように。楽観的でい続けるのが難しかった」