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ケケ、息子ニコについて6年ぶりに語る。「レース中、私はドバイにいた」

2016年11月29日 11:41  AUTOSPORT web

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親子二代でのタイトルを獲得したロズベルグ家。父ケケが息子のニコについて語った。
新たに2016年F1ワールドチャンピオンを戴冠したニコ・ロズベルグの父、ケケ・ロズベルグは、アブダビGPの現場を避けてドバイにいたことを明らかにした。

 1982年にウイリアムズでワールドチャンピオンを獲得したロズベルグは、今年のタイトルを決定するレースをドバイの「ホテルと友人宅」にて観戦し、ヤス・マリーナ・サーキットにはレースが終了した後に訪れた。

 ロズベルグがランキングトップでF1チャンピオンシップの最有力候補に浮上してから、ケケは意図的に注目を浴びないようにして、すべてのインタビューを断り、レース現場に行くことはなかった。

「一歩離れて見るときが訪れたのだ」。息子のレースへの関わり方について、ケケは語った。

「ここへ来る以外、選択の余地がなかった。もし3日間サーキットに来て何もなかったら、とてもじゃないが落ち着いていられなかっただろうからね」

「だから、ニコと話し合って伝えたんだ。『いいかい、私は行けない。行っても何もできない』それで、私はここへは来なかった」

「ニコは私がどこに居たか正確には知らなかったと思うが、私がドバイに居たことは知っていたよ」

 アブダビGPのレース後、久しぶりにパドックに現れたにもかかわらず、ケケはニコが現役でレースをしている間は、今後もF1の現場に来ることはないと主張した。

「このスタンスに慣れてきたよ。私の役割はプライベートでのサポートだ」とケケ。

「忘れているだろうが、私は2010年の1月以来、どのインタビューも受けていない。今回がその時以来、初めてだ──今回はさすがに断りずらかったからね」

 ケケはアブダビGPのレース中、特に終盤のタイトルのプレッシャーがかかった状況での息子のメンタルの強さを称えた。ケケは「のどの奥に流し込んだビールが熱くなっていくのを感じながら」、その局面を見守ったと語った。

 また、同じワールドチャンピオンながら、現在のニコと自分を比較することはできないと、彼は付け加えた。

「私以上だよ。ニコの精神面の強さと責任感は賞賛するしかない」とケケ。

「ニコは何かを決めたら110%で応える人間だと覚えておかねばならない。それはF1ドライバーとしての肩書きとは、まったく関係がないものだけどね」

「私の勝利数などは、もはや誰も覚えていない。あまりに大昔のことで、今の私を見たら歯医者だったと思うかもしれない」

「今は、ニコと彼のパフォーマンスと成功がすべてだ」

 ケケは当時から大きく変わった現在のF1を鑑みて、息子と同じチャンピオンとして比較することを拒否した。

 1982年に自身が1勝だけでタイトルを獲得したことと比較して、(ルイス)ハミルトンが10勝でもタイトルを逃したことについて聞かれたケケは、彼が与えられた状況がいかに異なっていたかを指摘した。当時、ケケはライバルのターボエンジン勢に対して、自然吸気のコスワース・エンジン搭載のウイリアムズを走らせていた。

「ルイスとの違いは、彼は(年間)2位で50馬力のプラスがあったことだ。当時の私は250馬力ライバルから失っていた。だから、そんなに差があるような卵は到底、比べられない。ふたつの卵は同じように見えるが、当時はまったく中身が違うものだった」

「もっと運転が簡単だとか、困難ということではない。単純にまったく異なるゲームなのだ」