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ブラックバイト初の逮捕者…暴行被害訴えた学生「やっと一歩進んだ」

2016年11月28日 18:12  弁護士ドットコム

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千葉県にあった飲食チェーン「しゃぶしゃぶ温野菜 北習志野店」で、アルバイトの男子大学生の顔を殴ったなどとして、千葉県警は11月28日、元従業員の男性(53)を暴行容疑で逮捕した。男子学生を支援するブラックバイトユニオンによると、ブラックバイト問題で逮捕者が出るのははじめて。


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逮捕を受けて、東京・霞が関の厚労省記者クラブで記者会見を開いた男子学生は「怖くてやめられなかった。自分のことが解決できれば、(ブラックバイト問題で困っている)他の人も解決しやすくなると思う。やっと一歩進んだという感じ」とコメントした。



このフランチャイズ(FC)店舗をめぐっては、男子学生が、最長122日連続出勤など過酷な労働を強いられたとして、運営していた「DWE JAPAN社」側に未払い賃金や慰謝料などを求め、千葉地裁で係争中。男子学生は今年6月、逮捕された男性やその妻である元店長から、包丁で肩を刺されたり、首をしめられたりしたとして、千葉県警に告訴状も提出していた。



さらに男子学生は11月21日、告訴を取り下げた上で、(1)2015年8月8日、夫(逮捕された男性)から左脚の膝裏を複数回蹴られた、(2)2015年8月9日、夫から右ほほを複数回殴打された、(3)2015年8月12日午前2時ころ、店長の女性から「殺すよ、ほんと殺すよ、今向かってっから」と電話で脅迫されたとして、千葉県警船橋東署に被害届を出していた。



同ユニオンは逮捕に至るまでの一連のプロセスについて、「警察から被害届なら管轄の警察署の判断で動けるため、早期解決できるとの説明があり、より立証しやすいもので被害届を出した」と説明した。



千葉県警船橋東署によると、夫の逮捕容疑はアルバイト中の男子学生の足を蹴ったり、顔を殴ったりしたことで、容疑を認めているという。また、同ユニオンによると、警察から「店長も任意の事情聴取に応じている」との連絡があったそうだ。


(弁護士ドットコムニュース)