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WTCC:今季限りで撤退のラーダ、タルキーニが最終戦勝利で有終の美

2016年11月28日 13:02  AUTOSPORT web

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オープニングレースのスタートで先行するトム・チルトン
WTCC世界ツーリングカー選手権の最終戦となるカタール・ラウンドが、ドーハの北部に位置するロサイル・インターナショナルサーキットで開催され、今季限りでのワークス活動撤退を決めたラーダをドライブする54歳の鉄人、ガブリエル・タルキーニが自身22勝目を挙げると同時に、この波乱含みのレース1でチームに惜別の勝利をプレゼントした。

 予選MAC3を制したセバスチャン・ロウブ・レーシングのシトロエン・CエリーゼWTCC3台は、リバースにより後方グリッドからのスタート。ポールは同じくCエリーゼに乗るトム・チルトン、そのセカンドロウにタルキーニのラーダ・ベスタが並んだ。

 スタートは混乱なく、チルトンがリードを保ちながら進んだオープニングラップだったが、後方集団でバトルがヒートアップ。ターン7の左コーナーで先行する王者ホセ-マリア・ロペス(シトロエン・CエリーゼWTCC)のインを突いたホンダ・シビックWTCCのティアゴ・モンテイロが、立ち上がりでラインを戻してきたロペスに姿勢を乱され、そこに後方からラーダのヒューゴ・バレンテが追突。

 そのままコースサイドまで弾き飛ばされたモンテイロは、右リヤサスペンションを破損し自走不能に。このアクシデントでセーフティカーが導入される事態となるが、2周後にはマシン回収が困難との判断から、赤旗で一時レース中断となった。




 25分を経て再開されたレースは、リスタートでイン側を守ったチルトンに対し、大きなクロスラインで2コーナー立ち上がりを狙ったタルキーニが前へ。これで前方がクリアになったタルキーニは、毎ラップごとに後続をコンマ6秒以上引き離すファステストを連発し、最終的に5.321秒のマージンを築いて余裕の勝利を手にした。

 その後方では、オープニングラップの1コーナーでイン側の芝生にマシンを落としながら、3番手までポジションを上げていたロブ・ハフ(ホンダ・シビックWTCC)が、チルトンを再三追い詰めるも、オーバーテイクには至らず。ボルボ・S60のテッド・ビョークらを仕留めてきたイバン・ミューラーが4位、ノルベルト・ミケリス(ホンダ・シビックWTCC)が5位となった。

 続いて行われたメインレース、今季ファイナルの1戦では予選で自身初のWTCCポールポジションを獲得したメディ・ベナーニのシトロエン・CエリーゼWTCCがポール・トゥ・ウィン。後方で再度のアクシデントが発生し、SCカー明けのリスタートでは、ポールスター・シアン・レーシングのボルボS60ポールスターTC1、テッド・ビョークがロペスをオーバーテイクし、ベナーニに迫ったが僅差で今季2勝目はならず。

 2位ビョーク、3位ロペス、4位ミケリスと続き、最終ラップで、こちらも今季限りでの引退が決まっているミューラーを抜いたモンテイロが5位に滑り込み、ドライバーズ選手権3位を確定。シビックの修復を間に合わせたメカニックの努力に報いるリザルトとなった。