2016年F1アブダビGP決勝で、フェラーリのセバスチャン・ベッテルは3位だった。
■スクーデリア・フェラーリ
セバスチャン・ベッテル 決勝=3位
今日は僕らにとって重要なレースだったと思う。最後の数周で、できればあと2つ順位を上げたかった。それだけのスピードはあったからね。ただ、前のクルマもトウ(スリップストリーム)を使っていたので、オーバーテイクを仕掛けるのは難しかった。
それでも、僕らはチームとして、このポディウムフィニッシュに相応しい仕事をしたし、この結果がみんなの励みになればいいと思う。今年はタフな年になり、浮き沈みも激しかったから、今日の結果には心から満足している。2016年の全般的なパフォーマンスに関して、言い訳を考える必要はないと思っている。もっと良い成績を期待していたのは確かだけど、取れるはずのポイントをずいぶん取り逃がした前半戦以降は、そこから立ち直ることによって本当の強さを示せたと思うからね。
特にここ2、3戦では、レースペースはとても速くて、レッドブルと十分に戦えるか、場合によっては少し上回るほどだった。ただ、予選では彼らに先を越されてしまい、決勝の戦いが難しいものになっていたんだ。
全体としては、このチームが持つスタミナを証明できた。気持ちは挫けていないし、これからもハードワークを続けていくよ。フェラーリはトップに返り咲くべきチームなのだから。今年僕らは多くのことを学び、大きな進歩を実現してきた。
ともあれ、今日の主役はニコ(・ロズベルグ)だ。彼は本当によくやったよ。幸運だけで選手権を勝ち取ることはできない。こうしてタイトルが与えられたのは、彼の努力や姿勢が認められた証だと思う。彼はチャンピオンに値するドライバーだ。
(ロズベルグとのバトルについて聞かれて)他のマシンのすぐ後ろを走っていると、スライドし始める。僕はフロントタイヤに苦しんでいたから近くを走り続けるのが難しかった。
やれることはやった。ニコはうまく防御していた。それに彼はルイス(・ハミルトン)からトウを得ていたんだ。トウがなければ僕にチャンスがあったと思う。
(Expressに対して語り)終盤は難しい状況だった。ルイスが汚い手(注:故意にペースを落としてロズベルグを押さえつけていたこと)を使っていたからだ。ルイスは後続がニコに追いつけるようにしていた。
でも僕はふたりを抜くことができなかった。ニコより僕の方が速かったけど、それはルイスがペースを落として走っていたからだ。それに彼らはストレートでものすごく速かったし、ニコは防御がとてもうまかった。その上、ルイスがニコのすぐ前にいたから、僕も無茶はできなかった。隙間に飛び込んだら彼にヒットしてしまうかもしれなかったからだ。