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唐沢寿明の熱演が「泣ける!」と話題に “神回”となった『ラスト・コップ』第8話

2016年11月28日 07:01  リアルサウンド

リアルサウンド

 11月26日に放送された『THE LAST COP/ラスト・コップ』は、これまでシリーズを見続けてきたファンにとって、感動せずにはいられない“神回”になった。


 冒頭から、京極浩介(唐沢寿明)と望月亮太(窪田正孝)の二人がビルの一室で武装組織と銃撃戦を繰り広げるド派手なアクションシーンから始まる。同行していた県警本部長の神野(小日向文世)の「『西部警察』みたいな刑事ドラマを見せて」という言葉に唆されて、一気に敵へと突っ込んいく二人の動きのダイナミックさは、このドラマ最大の魅力だ。


 そして、傍から見学しているだけの神野を庇った望月が階段から落下していくのだが、この場面もなかなか興味をそそる。直前のカットで、敵のボスと対峙した望月だったが、銃撃を受けてすぐさま壁の陰へと隠れる。その時後ろから見ていた神野のすぐ隣に、階段の手すりが映りこんでいるとなれば、ここはアクションの常套手段である「階段落ち」を期待せずにはいられない。肩を撃たれて仰け反ったまま、階段を落下していくアクションは、こちらの記事(参考:窪田正孝の腹筋がスゴい! 『ラストコップ』細マッチョボディに感嘆の声)でも注目されていた、窪田の鍛え上げられた肉体があってこそ為せる大技に他ならないのだ。


 しかし今回は、いつも通りのアクションコメディ一辺倒だけではない。前述の「階段落ち」によって記憶を失くした望月の記憶を取り戻すために、京極はこれまで二人が歩んできた体験を再現させる。みなとみらいの日本丸の前でふなっしーを弾き飛ばしたり、ビルの屋上から隣のビルへと大ジャンプをしたり、鈴木家の食卓でいつも通りの些細な口喧嘩を再現させてみたりと。いわばこれまで二人が「バディ」としての絆を作り上げていく過程を一気に振り返るわけだ。


 「記憶喪失」というのは古くからフィクションの世界ではお馴染みの方法論だ。これが、バディ・ドラマに使われるとなると、例えば2002年に公開された『メン・イン・ブラック2』のように、それは必然的に二人の絆をさらに深めるものとなる。今回のクライマックスで、敵に捕らえられた二人が見せるやり取りからは、まさにその予感が漂う。記憶を取り戻せないながらも、京極という存在の大きさを理解した望月と、すべてを思い出してもらいたい京極。京極が「お前が俺を忘れるはずねえだろおおおっっ」と叫び、望月の名前を連呼する本シリーズ屈指の名場面では、互いが互いの重要性を改めて理解したということだろう。同シーンはSNSでも「ふたりの絆に感動した」、「泣ける!」と大いに話題になった。


 こうして絆を強めた二人(もちろん、望月は記憶を取り戻す)が、ドラマ終盤でどのような活躍を見せるのか。今回の意味深なラストシーンからは、あらゆる想像が膨らむ。(久保田和馬)