4年連続で世界ラリー選手権(WRC)を制しているセバスチャン・オジエは、25日にウェールズのMスポーツを訪れ、2017年型フォード・フィエスタ RS WRCを初テストした。
今月初めにフォルクスワーゲンがWRC撤退を発表し、4連覇中のオジエは突如シートを失うこととなった。オジエの去就に注目があつまるなか、移籍有力候補とされてきたのがMスポーツだ。Mスポーツ代表のマルコム・ウィルソンは、オジエ獲得に強い意欲を示しており、フォード・フィエスタRS WRCのテストドライブを近いうちに行われると予想されていた。
オジエは先週末行われたオートストラリアでの最終戦後、シーズンエンドセレモニーを欠席しヨーロッパへいち早く戻り、噂されていたMスポーツではなく、先にトヨタのヤリスを水曜日にテスト。ターマック(舗装路)とグラベル(未舗装路)を走り込みマシンの感触を確かめていた。
そして金曜日の朝、オジエとコドライバーを務めるジュリアン・イングラシアは、朝9時からウイルソンと会談。Mスポーツのテクニカルディレクターを務めるクリスチャン・ロリオーも同席し、その後にテストドライブを30マイル(約48キロ)ほど行ったようだ。
「テストはうまくいった。とても印象的だったよ。セブがクルマに乗っているのは素晴らしいね。みんな、彼がいとも簡単に作業をしドライブすると語っていたが、どういう意味かわかったよ」とウィルソン。
「彼とジュリアンが我々のクルーに示してくれた敬意に満足しているよ。前日にオット・タナクがドライブしたものと同じマシンセッティングでテストをスタートした。セブがそれをドライブし、戻ってきたときにいくつかの変更を加えたんだ。彼は特別な変更を行ったときにクルマがどのように変わるかを感じたかったようだ。天候が晴れていたこともいいニュースさ」
ウイルソンはオジエとの契約に関し、「素晴らしい形でスタートした。この後は来週まで交渉を続けていくよ」とコメントしている。
テスト後にオジエとイングラシアは、フォルクスワーゲンのシーズンエンドパーティに参加するためドイツ・ハノーファーへと移動している。また、オジエは4チームの2017WRCマシンをテストしたいと考えているようだが、ヒュンダイにはシートがなく、シトロエンは高額といわれている契約金の予算を調達できていないようだ。