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『金曜ロンドンハーツ』出演で話題のとまん率いるXOX、彼らのキャラクターから魅力を探る

2016年11月25日 16:02  リアルサウンド

リアルサウンド

XOX『Skylight』(通常盤)

 『家政婦のミタゾノ』(テレビ朝日系)で熱演するTOKIO・松岡昌宏が意外にすんなり受け入れられたように、女装は今や男性タレントの自己表現法のひとつとして認知(?)されつつあるようだ。『金曜ロンドンハーツ』(テレビ朝日系)の企画「見た目ビューティーカップ」などはその好例。先日同番組に登場しスタジオはもちろん、SNSにも衝撃が走った女装がある。ボーイズグループ・XOX(キスハグキス)のとまんだ。


(関連:XOXはボーイズグループ界の“パンク”を目指す 仕掛け人による戦略とグローバルな音楽性を分析


 一口に女装といっても、その場を盛り上げるために行われる女装は苦笑いしてしまうのが一般的だが、とまんの女装は「女子にしか見えない」レベル。番組を観た女性たちからは「私、完全に負けている」「もう女、やめたい」という敗北宣言がSNSに相次いだそうだ。“ジェンダーレス男子”と称される、とまん。身長163cm、体重38kg(!)という華奢な体型と、1カ月の美容代10万円と噂される徹底したケアによる美肌こそ「女子にしか見えない」理由だろう。現在は”素”の状態でも黒髪にエクステをつけており、男子トイレに入るたび居合わせたおじさんたちをギョッ! とさせているらしい。彼がリーダーとして率いるXOXは、2015年12月にシングル「XXX(キスキスキス)」でデビュー。2ndシングル『Ex SUMMER(エックス・サマー)』はオリコンウイークリーチャート6位、11月2日にリリースしたばかりの3rdシングル『Skylight』は同チャート9位を記録している。


 読者モデルとして人気だったとまん・志村禎雄・バトシンに、オーディションで選ばれた田中理來・木津つばさを加えた5人編成。通常こうしたグループにはひとりふたり「あれ?」というメンバーも混じっていたりするものだが、5人もれなく美青年というレアケースだ。しかも原宿系の人気読モから派生しただけあり、ストリート感漂うファッションも注目の的。高感度な女子たちから支持されているのも納得だが、ちょっと意外性のある彼らのキャラクターが浸透すればさらに人気が広がるかもしれない。


 たとえば女装が話題となったとまんは、グループ最年長。見た目からはクールで気難しい人柄を想像しがちだが、中身は意外に熱くおしゃべり好きだ。メンバー愛もハンパではなく、兄のよう……ではなく母親のように細やかに面倒を見ているという。


 さらに(名前の禎雄=さだお から)”だおくん”の愛称で親しまれる志村は、キャッチフレーズが”天然ぶりっこ”。本人は無自覚らしいが、何をやってもかわいくなってしまうという愛されキャラだ。


 スペイン系フィリピン人と日本人のハーフであるバトシンは、男性でさえも見惚れる端正な顔立ち。身長も高いので一瞬近寄りがたさを感じるが、しゃべるとバリバリの関西弁が飛び出す。よくひとりでノリツッコミをしているそうで、メンバー内のムードメイカーでもあるそう。


 現役大学生でもある田中は”XOX一の頭脳派”といわれており、なんと元”天てれ戦士”。かわいらしい少年時代から成長し、今ではさわやかな好青年だ。ナチュラルで落ち着いた雰囲気で、幅広い層から好感度が高い。


 そしてXOX最年少が、木津。一見クールに振る舞っていても時間とともにかわいさが露見してくるという、典型的な弟キャラである。


 ファッション好きな一部の女子に独占させておくにはもったいない、個性あふれるそれぞれのキャラクター。ストリート・カルチャーを牽引する読者モデルならではの感性を「ハイセンス過ぎてよくわからない」ものにしない彼らの絶妙なバランス感ーーそれが顕著に現れているのが、彼らから発信される音楽だ。トレンドの半歩先をいくエッジの効いた楽曲には、多くのボーイズグループの音楽性にある親しみやすさを一瞬感じにくい。が、洋服のコーディネートを取り替えるようにジャンルを飛び越え”着こなす”彼らの軽やかさ・ポップな感覚が、楽曲を「ちょっと背伸びしても触れてみたい」ものへと変換させているのだ。


 最新シングル曲「Skylight」にはメンバーによるラップやとまん発のリリックが投入されるなど、彼ららしさがこれまで以上に反映されている。アーティステックでいて遠すぎないXOXの魅力、まずは楽曲から触れてみてはいかがだろうか。(鈴木麻子)