ウイリアムズのチーフテクニカルオフィサーであるパット・シモンズは、2017年にF1規則が大幅に変更されるが、それを自分たちがうまく利用して飛躍できるかどうか、確信が持てずにいる。
2017年から全面的に変更されるレギュレーションによって、F1マシンとタイヤが幅広くなり、速さの向上が期待されている。
大きな規則変更が行われる際には、チームは規則のグレーな部分を利用して他チームよりも優位に立てる余地はないかと検討するものだが、シモンズはこの点でウイリアムズが苦労するかもしれないと認めた。他のチームの方が、規則の中からうまく利用できる点を見つけ出す能力が高いと彼は考えているのだ。
「それが我々の仕事の一部なのだが、いくつかのチームは非常に積極的に取り組んでうまくやっている。例えば、我々ウイリアムズよりもうまいのだ」とシモンズは語った。
「我々も全力を尽くし、やらなければならないことをやっていると思う」
「だが他のチームには、すべてのマシンについて何かよくない点があるかどうかを調べ、規則を何度も見返して利用できる点がないかを調査するという、基本的な仕事を担当するスタッフがいる」
「『利用』と言ったが、不正をするとか、そのような意味で言っているのではない。『(レギュレーションの言い回しの中で)彼(規則を制定した者)の意味することは分かるが、実際何を言っているんだ?』と皆が考える。多くの場合、そのふたつは同じではないのだ」
前回F1が空力規則を大幅に変更した2009年、ウイリアムズは規則の抜け穴を見つけ出し、「ダブルデュフューザー」として知られるデバイスを導入したチームのひとつであった。
ダブルディフューザーがアドバンテージとなり、違法ではないことがはっきりした後、これを使用していなかったチームは自身のバージョンの開発に乗り出さなければならなかった。
しかし、当時と異なり、現在は風洞の稼働は週65回までに制限されている。そのため2017年の規則の活用点を見つけ損なったチームは、遅れを取り戻すのがより難しくなると、シモンズは考えている。
「2月の終わりになってやっと風洞用のタイヤを入手した。2009年のマシンの時と比べると準備期間が極めて短い。2009年のマシンの際には作業する時間がもっとたっぷりあった」とシモンズ。
「2009年との大きな違いは、当時は風洞を毎日24時間体制で使えたことだ。トヨタはふたつの風洞を年中無休で稼働していた」
「今ではどのチームも週に65回しか稼働できない。それが2009年との状況の違いだ」
「つまりどこかのチームが何か画期的なものを発見したら、それに追いつくのはより困難だということだ」