メルセデスF1チームのルイス・ハミルトンは、4度目のF1タイトル獲得のためには、ただ優勝を狙うだけでなく、ライバルのニコ・ロズベルグが他チームのドライバーたちに抜かれるよう仕向けるべきだという“助言”を退け、アブダビGPでもストレートに勝利だけを見て走るつもりだと語った。
ハミルトンは最終戦を前にしてポイントリーダーのロズベルグに12点差をつけられており、圧倒的に不利な状況にある。ハミルトンが勝っても、ロズベルグが3位に入りさえすれば、タイトルはロズベルグのものになる。
レッドブル・レーシングのチーム代表クリスチャン・ホーナーは、メルセデスのドライバーふたりのタイトル争いは意識せずに、最終戦でもダニエル・リカルドとマックス・フェルスタッペンに優勝を狙わせると述べた。さらに、もしレッドブル2台がハミルトンとロズベルグの間に割って入った場合、ハミルトンにとってチャンスとなるため、ハミルトンは独走で優勝することを狙うよりは、ロズベルグを自分の後方で戦わせるよう抑えつけるべきであると主張している。
しかしハミルトンはこういった考え方を否定し、むしろ大きなギャップを築いて、ライバルに心理的打撃を与えたいと語った。
「そんなこと、考えたこともない」とハミルトンはホーナーの発言について語った。
「もしトップに立ったら、後ろとのギャップをできるだけ広げたい」
「18秒から30秒のリードを築いたら、相手に大きな心理的打撃を与えることができる」
「たとえば前戦(ブラジル)では赤旗がなければ僕は30秒リードしていた。チームメイトを故意に押さえつけるようなことをするより、ずっと素晴らしい成果だ」
「(ホーナーの言うことは)理にかなっているように聞こえるけど、現実的ではない。長いDRSゾーンが2カ所あるから、(押さえつけるのは)簡単でもないし、賢いやり方でもない」