BTCCイギリス・ツーリングカー選手権で2016年シーズンまでモーターベース・パフォーマンスのフォード・フォーカスSTをドライブしていたアンドリュー・ジョーダンが、17年にウェスト・サリー・レーシング(WSR)に移籍することを発表。BMW125i Mスポーツをドライブすることとなった。
2013年のチャンピオン経験者で現在27歳のジョーダンは、今回WSRと2年間の契約で合意。今月末よりブランズハッチで同車のステアリングを握り、集中的なテストプログラムを開始することを明らかにした。
「過去何年かの間に、いくつかのタイトルを獲得してきたが、これはまったく新しいレベルに物事を進める挑戦になる」と、喜びを語ったジョーダン。
「BTCCのグリッドを前方から後方まで眺めてみると、ビッグチームと呼べるのはホンダのファクトリー・チームであるダイナミクスと、このWSRだけだと言える。つまりこの(BMWの)シートは選ばれた者のためのひとつであり、最終的なターゲットとしてタイトルを獲得することが至上命題になる」
ジョーダンは今年ドライブしたフォード・フォーカスSTで、インディペンデント・トロフィーを獲得。オーバーオールでも年間2勝を挙げ、総合ランキングで8位につけた。
パーソナル・スポンサーとして英国で油脂類を扱う企業である「Pirtek」からサポートを得ていたジョーダンだが、来季に向けては体制変更によりモーターベース・パフォーマンスからの離脱が決まっていた。その離脱発表から3週間というスパンで、今回WSRに加入するというオプションを行使することとなった。
ジョーダンは「ファクトリーに訪問した際、チームの持つ勝利への決意に、シンプルに心を動かされた。そしてすぐに、水面下で交渉していたその他のチームに行くという選択肢を捨て去ることにしたんだ」と語る。
「チームのボスであるディック・ベネッツと、ゆっくり腰を据えて来季に向けたプランやアップデートの話をした。彼からは勝利への強い意欲が感じられたし、それは僕自身にも備わっているものであると感じた」
「だからこの先の時間を共有できると思ったんだ。WSRは体系的かつ勤勉に物事に取り組むという評判があり、それは僕自身がレースに臨む方法と同じだからね」
ベネッツは、2016年シーズンにランキング2位を獲得したチームのエース、サム・トルドフが最終戦終了後にキャリアに幕を降ろす決断をしたことを踏まえつつも、来季に向けてBMWのパフォーマンスをいかに引き上げ、開発を進めるかのプランを模索していたという。
「アンドリューはBTCCの中でも最速のドライバーのひとりであり、成功を手にした稀有な才能の持ち主だ。彼はチャンピオンシップをいかにして勝ち上がるかという決定的な方法を知っている。チームはBMWの開発に熱心に取り組んでいるし、彼の能力とともに来季も再びタイトルコンテンダーとして戦えることを願っている」